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魔物が潜んでいるかもしれない場所の見当をつけて、後からやって来てすぐに見つけられるように目印もしっかりと作ってと、とりあえず今出来ることはやり終えた。
そろそろ森に入ってから、【ダンレムの糸】のクールタイムである十分が経つ頃だし、捜索を切り上げる頃合いだろう。
「せー……のっ!」
最後の仕上げとして、辺りを尻尾で大きく薙ぎ払っていき、へし折った木が積み重ならないように地面に転がして回った。
「こんなもんかな? ……結局何も姿を見せないか。まぁ、いいさ。また今度だ!」
今まで森に響いていた破壊音が止んだのに、チラリとも姿を見せようとしないあたり、ここでどれだけ粘っても出てこないだろう。
もう少しこの辺りを見て回った方がいいかな……って思いは頭の隅にあったんだが、これですっかり消えてなくなった。
「じゃー……行くか」
俺は尻尾を解除すると、森の外に向かって飛び立った。
◇
森の外に出た俺は、残った死体の山を処理するために、先程弓を撃ったのと同じ場所で【ダンレムの糸】を発動して、発射の構えをとった。
「さっきので地面が大分荒れちゃったけど、撃った場所に穴が空いてるし、それを使えば上手く固定出来そうだね。……周囲に怪しい気配は無いし、街道の先にも何も無し。どっちの森にもこっちに向かって来そうな生き物はいないし……やれるね」
離れたのはたったの十分そこらだけれど、これだけ新鮮な死体の山があったら、それ目当てに何か寄ってくるんじゃないかって危惧していたんだが……何も来なかったな。
北の森の方では、こちらの様子を窺っているのか、小型の生物が何体か森の端まで来ているが、魔境側は全く気配を感じない。
俺がついさっきまで森をうろついていたのも影響しているのかな?
まぁ……理由は何であれ、ここでもう一戦繰り広げるなんて面倒なことはせずに済むのは何よりだ。
「それじゃー……さっさと片付けようか。……この辺かなー?」
地面に差すことで先程よりもしっかり弓を固定出来るし、ブレも抑えられるはずだ。
俺は死体の山をほぼ正面に捕らえると、尻尾と【緋蜂の針】を使って弓を引いていき……。
「ほっ!!」
死体の山目がけて、矢を放った。
「ぐぬっ!? ……結構……滑るなっ!?」
俺の体を固定出来る物が周囲に無いから仕方が無いとはいえ、地面が先程よりも荒れている影響なのか、左右へのブレは何とか抑えられてはいるが、その分前後にブレて、矢の軌道が上下に振られてしまっている。
無理に抑え込もうとするとさらにわけのわからない方向に向いてしまうため、このまま何とか真っ直ぐに安定するようにバランスをとっているが……なかなか難しい。
それでも何とかコントロールしていたんだが。
「……あらららら??」
いよいよ上下のブレが抑えられなくなって、最後は大きく上に逸れていってしまった。
何とかそれまでに、お目当ての死体の山は消滅させることは出来たんだが……。
「森の浅瀬だけれど……ちょっと上の方を消し飛ばしちゃったね。生きている状態と違ってもう死体になっているし、あんまり威力を殺し切れなかったのかもしれないね。森の方まで被害が出ちゃったな……」
さっきのは上手く地面に当てていたから、その分威力も殺せていたんだが、今度は上に逸れちゃったからな。
死体の山だけじゃ威力を殺し切れずに、威力を保ったまま森まで矢が届いてしまったようで、森の浅瀬に生えている木の先端を吹き飛ばしてしまった。
地面はさほど荒れていないのに、その分森の方への被害が中々大きい。
どうしようもないとはいえ、気軽に木を倒し過ぎている……とか反省した側からこんなことになってしまった。
「まぁ……目的はちゃんと果たせたね。今ので森の奥から魔物が来るかもしれないし、ここはさっさと離脱しようかね」
出来れば戦闘跡の土とかを採取したかったんだが、離脱を優先した方がいいだろう。
俺は死体の処理漏れがないかをサッと確認すると、急いでその場から飛び立った。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・9枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




