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スパスパボコボコとオオカミたちを順調に倒していき、残りは後一体となった。
オオカミたちの相手をするようになってから、初めはオオカミたちも倒されようと普通に突っ込んで来ていたんだが、流石に最後の一体になると俺から離れていくような動きを見せだした。
とはいえ、俺から距離をとるだけで逃げ出したりはしていない。
もちろん、逃げたところで追いかけて仕留めるから無駄なことだとは思うが……全くその素振りを見せないってのも不気味だ。
距離をとるオオカミから目を離さずに、俺もまた距離をとる。
互いの距離が10メートルほどに広がると、オオカミは背後の森を気にするように、チラチラと振り返ったりしだした。
距離が空いたことで、俺への警戒度合いが少し下がったのかな?
「……いっそ適当に追っ払ってみるって手もあるかな?」
倒すこと自体は大した手間じゃないが、ここでコイツを追い払えば、奥に控えているかもしれない魔物の下にいったりも……。
なんてことを一瞬考えて、右手に魔力をためかけたが、すぐに「いやいや……」と首を横に振った。
「余計なことはしないで、目の前のことから片付けた方がいいか。わけのわかんないことになったら困るしね」
気にはなるが、まずはこの場を片付けることを優先だ……と、溜めた魔力を解除して、代わりに剣を構えた。
そして、さぁ……突っ込むぞ……と、体を前に傾けたタイミングで、弱々しくはあったが森から何かの叫び声のようなものが聞こえた。
「なっ……なんだっ!?」
急な出来事に、前に突っ込もうとしていたが、俺は体を起こしてさらに後ろに下がる。
正面を見ると、俺だけじゃなくてオオカミも驚いたのか、体ごと後ろの森に向いていた。
今のうちにやってしまってもいいんだが……今まで何も見えていなかった森の奥から、光点がいくつも見えてきた。
「随分弱々しくはあったけど……突撃の指示かな? 数はこの群れと同じくらいか。大したことはなさそうだね。それじゃー……ふっ!」
森の様子はよくわからないし、このタイミングで残りをけしかけてきたりと、何が起きているのかは気になるが、俺は短く息を吐いて頭を切り替えると、目の前のオオカミに今度こそ突撃を行った。
オオカミは森の方を向いていたが、茂みをなぎ倒す音で俺の突撃に気付いたようで、振り返ることなく飛び退いて回避しようとした。
だが、俺の方が速度はずっと上だ。
回避が間に合うことはなく、【影の剣】が空中にあるオオカミの体を両断した。
「これで残りは森から出てくる魔物たちだけか。……でも、今の動きは……?」
【影の剣】がまともに当たれば、オオカミ程度なら一太刀で倒すことは可能だ。
だから、それ自体はおかしいことじゃないんだが、何かその前の動きが全体的に鈍かったような気がするんだよな。
森を睨みながら「うーむ……」と考えていたが、ふと視界の端にキラキラした粉のような物が映ったことで、その疑問が晴れた。
「毒かっ!」
そう言えばずっと発動していたんだが、効果が現れなかったからそのことを忘れていた。
屋外の開けた場所ってことだったり、俺が森の奥を意識していたりと、効果が現れる条件が悪かったのかもしれないが、今のオオカミの動きにキレがなかったことや、中々森から魔物が出てこないことや……咆哮が随分弱々しかったことを考えると、しっかりと毒は効いていたようだ。
「それなら、モタモタしている理由もわかるね。動きも鈍くなっているだろうし、戦闘もまともにこなせるかどうか……。出てきたら一気に片付けるか」
そう呟くと、ゆっくりと森に向かって【浮き玉】を進めた。
◇
「はぁっ!!」
魔物が森から姿を見せるなり、【緋蜂の針】を発動した左足を突き出して突っ込んでいく。
やはり毒が効いているようで、とてもじゃないが魔境の魔物とは思えないほど動きが鈍い。
【緋蜂の針】と【影の剣】のコンビネーションで、魔物の群れはドンドンと数を減らしていった。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・9枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




