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目潰しが決まり、オークとカエルもどき両方の動きを止めることが出来た。
二度目があるかどうかわからないし、この隙に面倒なカエルもどきを仕留めたいところだが……。
「ここは確実に減らしたいし……っ!」
まずはオークからだ!
目潰しで視界を奪われたオークは顔を押さえて呻いているが、魔境のオークだし油断は出来ない。
いくら何でも真正面から接近するのは危険かもしれない……ってことで、オークの手前2メートルほどで急停止して尻尾を振り上げると。
「ほっ!」
オークの頭部目がけて振り抜いた。
「むっ!?」
尻尾は狙い通りオークの側頭部に直撃をしたんだが、同時にオークが手を押さえていた顔から離したかと思うと、前方に向かってパンチを放っていた。
目は閉じたままだし狙いは適当なのか、そのパンチは空振りに終わったが、腕を振るう音が俺の耳にも届くほどだし、体形相応で威力は十分だな。
もし俺が真っ直ぐ突っ込んでいたら直撃していたかもしれない。
【風の衣】と【琥珀の盾】があるから、別に当たったところでどうってことは無いだろうが、いい気分はしないし、フェイントを入れておいて良かった良かった。
それでは……改めて!
「はっ!!」
前に伸びた腕を掻い潜るように懐に飛び込むと、ガラ空きの腹部目がけて蹴りを放つ。
ぶっとい腹をしているし、頭部にはなった蹴り以上に致命傷には程遠いが、それでもこの一撃で体がくの字に折れて、頭部が前に下がって来た。
「よいしょっ!」
空中で逆上がりをするように縦に回転しながら、下がって来た頭部を蹴り上げると、再び尻尾で側頭部を殴りつける。
同時に俺はその場を抜け出して背後に回り込むと、オークは前に向かって腕を振るっていた。
まだ視力は戻っていないみたいだな。
【緋蜂の針】の蹴りを何度も食らっても即座に反撃をしてくるタフさを考えると、並のオーガよりもずっと強いんじゃないか?
群れのボスとか、そんな立場の個体なのかもしれないな。
ってことは、森の中に潜んでいる魔物たちは、コイツが率いている群れなのかな?
ここで仕留めたらどう動くかわからないし、面倒になるかもな……なんてことを考えながらも、背後からガラ空きの首目がけて、右腕を振り抜いた。
スパンっと、首の骨諸共断った手応えを感じながら、飛んで行く頭部を尻尾で撃ち落とした。
頭部は地面の水溜まりに落ちて、水の音を立てながら転がっていく。
間違いなく止めを刺したな。
「……ようやく倒せたか」
首を刎ね飛ばされたことで、ぐらりと前に倒れていくオークを眺めながら、俺はそう呟いた。
まだ完全に息の根を止めたわけではないが、先程倒したカエルもどきも入れたらこれで二体目だ。
「ここはオレが引き受ける……とか言っておいてなんだけど、思ったより手こずってるよね。別にどれも問題無く倒せる程度の相手なのに……混ざるとこうなっちゃうか。厄介だね」
舌をわずかに覗かせながらこちらの様子を窺っているカエルもどきを見ながら、「やれやれ……」と溜め息を吐いた。
もうカエルもどきは視力は戻っているようだし、不意打ちは出来ないだろう。
さらに、オークを倒したことでかたき討ちのつもりなのか、森の奥から魔物がぞろぞろと湧いてきたのを、ヘビたちの目が捉えていた。
「まぁ……普通の魔物みたいだし倒すことは問題無いけど、さっきのオークみたいにカエルもどきと連携されたら厄介だしね。……一気に倒しちゃうか」
◇
カエルもどきは、二体一緒にいたり他の魔物と一緒だと、どう戦っていいかで迷ってしまい、大してダメージにならない決め手に欠ける攻撃しか出来ずに、無駄に時間を使ってしまっていたが、一対一なら話は別だ。
しかも、カエルもどきの開けた場所での戦い方もある程度わかってきた。
【緋蜂の針】と【蛇の尾】を組み合わせた連続技で一気に追い詰めると、カエルもどきのぶっとい胴体を真っ二つにして、互いに離れた場所に行くように蹴り飛ばした。
「ふぅ……これで残りはアイツラだけか」
俺は振り返ると、森から出てこちらに向かってくる魔物たちを睨みつけた。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・9枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




