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「おっと!?」
突っ込んで来る俺を叩き落すために、カエルもどきは舌を伸ばしてくる。
ジャンプ中なのに器用な真似をするが……舌程度では俺の風を破ることは出来ずに、大きく弾くだけに終わった。
「ちょっとびっくりしたけど……今のは失敗だね!!」
舌の攻撃そのものは大した威力じゃないが、それでも体当たりだったり毒液だったり……他の攻撃の合間に使われたら厄介なことには違いない。
だから、後ろ足一本を抑えている状況で舌まで封じられたのは、一気に仕掛けるチャンスだ!
カエルもどきの足に巻き付けている尻尾に、振りほどかれたりしないように力を籠めると、俺は足ではなくて、右手を前に突き出したまま突っ込んでいく。
そして、刃がカエルもどきの体に触れたタイミングで。
「ほっ!!」
クルっと体ごと回転させて、カエルもどきの体を大きく切り裂いた。
さらに。
「はっ!」
今度は逆回転で、その切り口のすぐ側を反対から同じように斬りつけたところで、地面に落下して転がっていった。
どちらも切断まではいかないが、背骨を断った感触はあったし、少なくともこの戦闘の間はまともに動くことは出来ないだろう。
やたらタフなこいつらは簡単には仕留められないし、複数を相手にするなら、頭部を切り離して遠くに蹴り飛ばすってのが俺の中でのパターンだったんだが、今回は一先ず行動不能に追いやれただけで十分だ。
「この流れで……!」
俺は地面に転がった一体から残りのもう一体に視線を向けると、今度はいつも通り足を前に突き出して突っ込んだ。
「よいしょっ!」
まずはカエルもどきに蹴りを!
その蹴りを躱すために、大きく飛んで下がった空中のカエルもどきに斬撃を……。
「くっ!?」
カエルもどきに斬りつけようとしたが、飛んできた何かに【風の衣】が破られた。
【琥珀の盾】は残っているから、飛んできた何かは風で相殺出来たんだろうが……勢いを削がれてしまったし、仕切り直しだ。
【風の衣】を張りなおすと、俺もカエルもどきから距離をとった。
そのついでに、【風の衣】を破った何かが飛んで来た元の方に視線を向けると、ノソノソ歩いていたはずのオークが、何かを振りかぶっている姿が目に入った。
「まぁ……だろうね」
【風の衣】を破るような物が、風なんかで飛んでくるわけないし、この場でそんなことが出来そうなのは、能力的にも種族的にもあのオークだけだ。
「オーガならともかく、オークが物を投げてくるってイメージは無かったね。まぁ……魔境の魔物はゴブリンとかだって色々工夫しているし、物くらい投げるようにはなるのかな?」
俺は「やれやれ……」と首を振ると、溜め息を吐いた。
◇
まずは手近にいて尚且つ厄介なカエルもどき二体を、オークが合流する前に始末して、それからオークと森の奥にいる魔物を片付ける。
そう考えていたんだが、それは遠距離攻撃をしてくる魔物がここにはいないってことが前提にあった。
「それが崩れちゃったな。しかも、森の奥にいる魔物だけじゃなくて、カエルもどきとも動きを合わせてくるか……」
連携なんて大したもんじゃないし、一方的にオークがカエルもどきの動きを利用しただけなのかもしれないが、それでも遠距離攻撃の援護付きとなると、俺も下手に突っ込んだりは出来なくなる。
やっぱり距離があるうちに仕留めておくべきだったかな……。
ポンポン飛んでくるゴブリンの頭ほどの大きさの石を躱しながら、時間をかけすぎたことを反省して頭を落としていたが、すぐに気を取り直して頭を前に向けた。
「いや、それなら順番を変えれば済むことか。先に向こうを片付けないと、状況は良くならないか」
攻撃をしてきたりはしないものの、隙を窺っているのか俺の後ろに回り込んでいるカエルもどきから注意を外すのはちょっと怖いが、もっと近づいて来て接近戦で本格的に連携を取られでもしたら、俺でもちょっと手が足りなくなるかもしれないし、ここは覚悟を決めないとな。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・9枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




