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「よう。よく踏みとどまったな」
「お前なら凌げただろうが……もしあのまま突っ込むようだったら、俺がお前を魔法で弾き飛ばしてたぜ」
アレクとジグハルトの二人は、やってきた俺に向かって苦笑しながら物騒なことを言い放った。
「ふん……まぁ、ちょっと油断したのは確かだね。アレ何?」
先程俺は上手くワニもどきの頭上をとって、不意打ちを仕掛けようとしたんだが、ワニもどきの背中は逆立った鱗のようなものが生えていて、蹴りを叩きこむのを躊躇ってしまった。
その直後にオーギュストの指示があったから、攻撃を仕掛けずにこっちまでやって来たんだが、二人の反応を見るに、アレで正解だったか。
「背中だけじゃなくて、側面にもあの鱗が生えていてな。横から剣を叩きつけてみたんだが、砕けた破片が鏃みたいな形になって、周囲に飛び散るんだ。お前の風と盾なら防げるとは思うが……直接仕掛けるのは正面からだけにした方がいいだろう」
「……【琥珀の盾】みたいな鱗してるのか。それにしても、思ったよりも硬そうな見た目をしてるよね。最初上から見ていた時は、もっとヌメヌメしてたように見えたんだけど……そんなことなかったかな?」
魔物の群れを片付けに行く前は、まだ両生類っぽい皮膚だったと思うんだが、戦闘の影響だろうか?
とりあえず、俺が離れた後どんなことがあったのかを訊ねようと思い、二人の顔を見たんだが……。
「ひょっとして、周りって相当暑いの?」
もちろん、今も雨は降り続けているから、彼らは顔どころか体全体が濡れているわけなんだが、雨とは別の汗のようなものも見えるんだよな。
今は止まっているが、先程までジグハルトの魔法の音が鳴り響いていたし、結構な数の魔法を撃ち込んでいたはずだ。
その熱であのワニもどきの皮膚が乾燥したってところかな?
俺の視線に二人は頷くと、ジグハルトが口を開いた。
「大分炎の魔法を使ったからな。この穴の底じゃ……熱気も溜まるだろう。お前が魔物の群れを片付けに向かってしばらく経った頃、こっちにも魔物が現れたんだ。アイツが呼び寄せたんだろうな。流石にこの穴の上の様子までは俺たちも把握出来なくて、接近を許してしまった」
「あらら……オレが動いたのは慌て過ぎだったかな……」
北から接近する群れを見つけてすぐに出発したんだが、もう少しこっちで様子見してからの方がよかったかもしれないな。
「いや、別にそれは問題じゃなかったさ。こっちに現れたのはカエルもどきの群れだったんだ。アレは死体になっても毒を持っているんだろう? だから死体を残したくなかったし、ジグさんの魔法で誘導と足止めをした後に、俺が矢で仕留めた」
アレクは弓を軽く振ってこちらに見せた。
やっぱりあの音は【ダンレムの糸】だったか。
まさかカエルもどきが複数出ていたとは思わなかったが、まぁ……無事に倒せていたんなら何よりだ。
「……で、念のため炎と風の魔法で穴の中の空気を上空に巻き上げたんだ。気付けないほどの不調でも、アレを相手に後れをとったりはしたくないからな……。だが、アイツはその熱を利用して、自分の体の水分を全部飛ばすとあの形態になったってわけだ」
「なるほど……」
水分を纏って熱に強い形態と、水分を弾き飛ばして接近戦に備える形態を持っているんだな。
「団長の戦い方を見てると、正面からだと鱗の破片が飛び散ったりはしないのかな?」
「他の部位に比べると、頭周りは鱗の密集具合が薄いんだ。それでも、周りに飛び散るからな。結局どこを叩くにしても、一人でやるしかないだろう」
「それは面倒だねぇ……」
「長引くようなら交代するのも手だが、今のところはオーギュストが一人で相手出来ているし、とりあえずはこのまま様子見だな」
三人手持ち無沙汰ではあるものの、どうすることも出来ないし……と、呑気に話しながらオーギュストの奮闘ぶりを見守っていたが、ワニもどきの足元からジワジワと地面に魔力が広がっているように見えた。
身を乗り出して向こうの様子を窺っていると、急に黙り込んだ俺を不思議に思ったのか、「どうした?」と二人が声をかけてきた。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・8枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




