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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
6章・領都も色々面白い
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地下のダンジョン前の待機エリア。


ダンジョンに潜る前の事前の打ち合わせをしたりする場で、いつも騒々しいのだが実に静かだ。

もちろん冒険者がいないわけでは無い。

30人ほどの冒険者が打ち合わせを行っているのだが、皆セリアーナとエレナに遠慮して小声で行っている。


別にそんな義務は無いんだが……何となくだろう。

俺だって多分他人だったらそうしているかもしれない。


「セラ、降りて来なさい」


気まずさから上に逃げていた俺にそう言うセリアーナ。

この2人はまったく気にしていなさそうだ。

心臓鋼か何かなのかな?


「アレクまだかな……?」


仕方なく降りて行ったが、気まずい事に違いは無い。

そうぼやいていると、階段の方がざわついた。


「来たわね」


「お?ほんとだ」


そちらの方を見るとアレクが地下に降りて来て、冒険者達に囲まれていた。

パッと見若いのが多いし、もしかしたら新人なのかもしれないな。

自分達の地元を拠点にしていた冒険者が、王都でさらに名を上げ二つ名を得た。

ちょっとしたヒーローだ。


「呼ぶ?」


盛り上がっているけれどどうしたものか。

セリアーナの判断に任せよう。


「構わないわ。待ちましょう」


サービスというんだろうか?

こういった事には寛容だ。


……寛容ではあるけれど、限度ってあるよね。

流石に20分近くも話し込まれたら困るぞ?


セリアーナも腕を組みながら指をトントンとしていたが、そのペースが大分上がっている。

セリアーナも立場上待ったをかけにくいだろうし、仕方が無い……俺が行こう。


「あれーく!」


ふよふよ近づき、目立つよう大声で呼びかけた。

アレクは話を止めこちらを見るが、一緒にセリアーナも目に入ったようだ。


「悪いな。待たせてあるから失礼するよ」


周りを囲む冒険者達にそう言い、道を開けさせカッコつけながらこちらにやって来たが、顔には若干の焦りが見える。

本人も少し話し込み過ぎたと思っているんだろう。


「……」


「すみません。遅くなりました」


3人の視線を受け、頭を下げるアレク。


「まあ……いいわ。その分の働きは期待するわよ?さ、行きましょう」


立ち上がりダンジョンへ向かうセリアーナとエレナ。

その後に続く俺達。


「珍しいね?あんなお喋りだったっけ?」


何となく気になったので訊ねる。

俺の知っているアレクは口数かなり少ないんだよな。

口下手ってわけじゃ無いし必要なら人前だろうがどこででも話せるけど、セリアーナを待たせている状況でってのはちょっとらしく無い。


「ああ……まあな。若いのが多かったろう?最近死者が出たし、俺がここにいる間に伝えられる事は伝えておきたくてな。上でも機会があれば指導を頼むって言われたしな」


「ぉぉぅ……」


思ったより真面目な理由だった。


「お嬢様もそこら辺はわかっていたんじゃないか?だから止めに入らなかっただろう?」


「それはどうかな……?」


俺は半々だと思う。

あの苛立ちは本物だった。


「そうか……まあ下での働きで挽回するさ」


フッと笑い2人に追いつくべく足を速めた。



「上層まで一気に駆け抜けるわよ。セラ、【浮き玉】を替わって頂戴。お前は私が運ぶわ。上から魔物の少ないルートを指示するから、アレク貴方が全て倒しなさい。エレナ、貴方は核の処理を。時間をかけずに行くわ」


セリアーナはナビ役か。


アレク君ハードだな……。

見ると顔が少し引きつっている。

そしてそれを見て笑うエレナ。

余裕があるな……まぁゴブリン程度じゃ脅威にはならないだろうし、ただハードなだけだ。


うん……お喋りの罰だなきっと。


「よいしょと。はい」


裸足の為一旦アレクの肩に座り【浮き玉】をセリアーナに渡す。

この様子だと浅瀬で俺のやる事は無いな……。


「コレも使う?」


耳を指しそう聞く。

【妖精の瞳】はセリアーナのスキルと併用できる。

ゴブリン程度なら必要ないかも知れないが、情報は増える。


「……いえ、必要ないわ。お前が使っておきなさい。行くわよ!」


俺を抱えたセリアーナが号令を出した。

セラ・【隠れ家】【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】・8枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・34枚

エレナ・【】・【緑の牙】・2枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・5枚

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― 新着の感想 ―
[気になる点] そろそろガチャしないと症状が
[一言] セラが裸足って見ると、毎回踏まれたい欲求が激しい。緋蜂使わず、素足で。
[一言] >……いえ、必要ないわ 【妖精の瞳】はビジュアルがねぇ…
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