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「どうしたっ!? 魔物が集まっているのか?」
上から下りてきた俺に、三人は足を止めて穴の上に視線を向けた。
当たり前だが、穴の中からだと上の様子はわからないみたいだな。
「ごめんごめん。そうじゃないんだけどね?」
俺は慌ててそう言うと、上で見て来たことを伝えた。
「そうか……ここまで派手に崩したから、もう塞げているんじゃないかと思ったが、まあ……仕方が無いか」
「上から見たら結構広範囲に崩れてたし、これ以上やると中にいたら危ないからね。でも、このままだとまた水が溢れちゃいそうだよ」
アレクと二人で話していると、前を向いたままのジグハルトが「それだけじゃない」と言うなり、前に向かって魔法を放った。
「おわっ!?」
先程までの魔法に比べると、威力は大分抑えているが熱量は十分なようで、爆音が響いたと同時に一気に穴の中に霧が立ち込めた。
そして、続いて放たれた風の魔法で霧は全部吹き飛ぶ。
俺とアレクの会話に、ジグハルトは「それだけじゃない」と言っていたが、一体……?
今の魔法で何かわかるのかなと思い前を見ると、初めはわからなかったが……徐々に異変が見えてきた。
「アイツが水の魔法を使っているんだね?」
ジグハルトが放った魔法は、あの魔物が身を潜めていた岩だった。
岩が吹き飛んで、ついでにその周辺の地面が盛り上がったことに加えて周囲の水が蒸発したことで、あの魔物の全身を正面から見ることが出来た。
上からだとカエルとヘビとトカゲが合わさったような姿に見えたが、正面から見たら、思ったよりも体の大きい手足の長い柔らかそうなワニ……ワニもどきだな。
んで、そのワニもどきの足元から大量の水が湧き出していた。
これだけだと、湧き水の上に立っているように見えるが、【妖精の瞳】がしっかりと魔力の流れを捉えている。
こいつが水の魔法を使っているんだ。
仕切り直しなのか、ジグハルトと、先頭に立っていたオーギュストも一旦こちらに戻って来た。
「魔法ってほど大したもんじゃないが、魔力だけは中々のもんだな。使っているのはお前の魔法と似たようなもんだが、発現する水の量は段違いだ」
「前で見ているとわかるが、周囲の水も動かせるようだ。これまで森の魔物が動いていたのは、そうやって合図を出していたのかもしれないな」
「あらら……それは面倒そうだね」
どれくらいまで出来るのかはわからないけれど、あのワニもどきがいる以上、流れ込んでくる以上のペースで水が増えていくし、場合によっては森の魔物をここから動かせたりもするってことだ。
あのワニもどきを逃がさないために、ここまで追い詰めたつもりだったけれど、三人もここで足止めを食らうことになりかねない。
「むむむ……」
どうしたもんか……と唸っていると。
「気にするな。合図は出せても、細かい指示は出せないはずだ。精々、魔物をこちらに引き寄せるか、追い立てるか……その程度だろう。お前は最初に決めた通り、上から周囲の警戒をしていてくれ」
アレクはそう言うと、【ダンレムの糸】を発動した。
「む……? まぁ、それもそうだね」
直接戦うのはこの三人で、その三人が落ち着いているんだ。
俺が一人で狼狽えていても何かが変わるわけじゃない。
何度か大きく深呼吸をすると、俺は「了解」と言って、穴の上に飛んで行った。
◇
俺が再び上空に戻って来てからも、何度か魔法の音が響いていたが。
「おっと……始まったね」
足場を作るための魔法から、攻撃用の魔法に切り替わっている。
ワニもどきは……?
「姿は見えないけど……水中にいるね。アイツが逃げられるほどの穴は無いみたいだし、戦うことにはなるんだろうけれど……」
水辺で一人ずつ相手するのならともかくこの状況だ。
ワニもどきだって勝機が薄いのはわかっていると思うんだが、逃げる素振りは見せないし……となると?
「えーと…………あぁ、やっぱそう来るか」
俺は視線を穴の外に向けて森の様子を探っていると、北側からこちらに向かって近づいてくる魔物の群れを発見した。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・8枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




