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「……何か起きた?」
カエルもどきたちの動きに、俺は慌てて周囲の様子を探った。
100メートルほど離れた場所からジグハルトの魔力を感じるが、森が荒れまくっていること以外には、特に変わった様子はないと思う。
それにも拘らず、カエルもどきたちのこの動きだ。
「カエルもどきたちに比べて、三人はあそこから動いていないし……見える位置にアンデッドでもいるのかな?」
向こうの三人もこっちのカエルもどきたちも、なにかを警戒しているのかもしれないが、それが何か俺には感じ取れないし、見えもしないんだよな。
ってことは、アンデッドだよな……?
「とりあえずやることは変わらないか。さっさとコイツらを……」
カエルもどきたちが冷静になる前に、この隙をついてさっさと片付けてしまおうと、地上に視線を下ろした。
「逃げるってほどじゃないけど、混乱しているみたいだし、どいつもここから離れようとしているね。これなら上から襲えば簡単に……ん?」
地上を見ていると、何やら地面に走った亀裂からチカチカと赤と緑の光が……何かが地下にいるのか!?
「魔物かっ!?」
コイツが何なのかはわからないが、嫌な予感がして慌ててその場を離れると、先程と同様……あるいはそれ以上の魔力が亀裂に沿って噴き出ているのが見えた。
これはまたジグハルトが何かデカい魔法を使うんだろうし、急いで離脱しないと……。
「……いや! チャンスだ!」
離脱しようと動かしかけた【浮き玉】を止めると、俺はその場を離れるのではなくて、真下に向かって加速させた。
そして。
「ふっ!!」
一体のカエルもどきの頭部を、降下の勢いそのままに踏みつけた。
真上からとはいえ、これまでなら簡単に躱されていたが、先程の魔法のダメージに加えて絶賛混乱中で警戒が緩んでいたのか、見事に直撃してしまった。
ジャンプさせて空中に浮いたところを蹴り落として……と考えていたが、コレはコレでありだ!
一撃で仕留めることは出来なくても、しっかりダメージは入っている。
地面に伏したまま動けないでいるようだ。
「ほっ!」
気合いの声と共に、追撃で【影の剣】を振るって頭部を刎ね飛ばすと、一体目と同様に頭部を蹴り飛ばそうとしたが、さらに地中の魔力が強まっていることに気付いた。
「ダメかっ!?」
そう叫ぶと、【風の衣】と【琥珀の盾】をいつでも発動し直せるように集中しながら、その場を急いで離脱する。
「だぁっ!?」
魔力が噴き出ている亀裂から10メートルほど離れたところで、爆発音が鳴り響いた。
続けて、空中にいる俺も吹き飛ばされるほどの衝撃波。
それだけじゃなくて、地面の亀裂の数ヵ所から炎のようなものが上がっている。
先程はただの魔力をぶっ放したみたいだったが、今度は炎の魔法に切り替えているようだ。
余波で【風の衣】と【琥珀の盾】を破るほどではないものの、魔法の威力は相当なようで、周囲に引火はしていないが魔法の熱で地面に溜まった雨水が蒸発して、一気に霧が立ち込めている。
「地下にいた魔物は……どうなったかわからないか。でも、カエルもどきはまだ生き残ってるのもいるし、まずはコイツらからだね!」
この熱と霧とで、カエルもどきたちもさらに動きが鈍くなっている。
手こずらされたが、今度こそ……。
俺は一度大きく深呼吸をすると、霧の奥にいるカエルもどきたちに向かって突撃した。
◇
「ほっ!」
短く気合いの声を吐くと、まだ宙に残ったままのカエルもどきの頭部を蹴り飛ばした。
さらに動きが鈍ったカエルもどきたちを減らしていくのは簡単で、頭部を刎ねた個体の止めこそまだ刺させてはいないが、それでも数分も経たずに残りは三体までとなっていた。
「後はコイツらを倒して、それで合流だね」
残ったカエルもどきは三体とも片足を刎ね飛ばした個体だ。
一気に片付けてやる……と、気合いを入れて突っ込もうとしたが。
「セラっ!! 離れろっ!!」
いつの間に側まで来ていたのかわからないが、アレクの切羽詰まったような声が飛んで来た。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・8枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




