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俺が森の木を越えて上空に出たタイミングで。
「うおおおぉぉっ!?!?」
地上から爆発音が響いたかと思うと、俺が先程までいた場所だけじゃなくて、森のいたるところから魔力が吹き上がっていた。
恐らく何かを発見したジグハルトが、地中に向けて魔法をぶっ放したんだろう。
「うぉぉぉ……一体何があったんだ?」
音や魔力は地上にも溢れだしているが、魔法そのものは見えないんだよな。
全部地中で発動したんだろう。
ただ、俺の居た場所から東側に向かって一直線に木が倒れていっているし、それ以外の場所でも倒れている。
地中の通路が繋がっていたのかもしれないが……どれだけ魔力を込めた魔法を放ったんだろうな?
そもそも、一体何があったのかだよな……。
「収まったみたいだし、オレも下に下りるか」
魔法の余波で、森のあちらこちらで木が倒れたりしていたが、それも収まり始めている。
カエルもどきのことも気になるし、一旦地上に下りよう。
◇
「……この辺も凄いことになってるね。魔法は届いてなかったと思うんだけどな」
地上まで下りた俺は、辺りを見渡してそう呟いた。
先程までは、俺が折った木が数本倒れてはいたが、それ以外は精々茂みがカエルもどきに踏み潰されていたくらいで、それほど荒れてはいなかった。
だが、今はそこら中の生えている木が、根から捲れ上がったり倒れたりしている。
地面も線上に亀裂が入ったように陥没しているし……どんだけ強力な魔法を使ったんだ?
上から見ていた以上の惨状に少々引きながら辺りを見回していると、ふとヘビに襟を引っ張られた。
何事かなと振り向くと、倒れた木の枝に紛れてノソノソとカエルもどきが姿を見せた。
「……あぁ、コイツ等は生きてるんだ。一体二体……七体全部いるのか。本当にしぶといね」
倒れた木や地面が巻き上げられた勢いに巻き込まれてダメージがあったのか、先程に比べると弱っているように見える。
弱っているように見えるというか……【妖精の瞳】で見える体力は減っていて動きもどこか鈍いし、明らかに弱っていた。
「何があったのか気になるし皆と合流したいけど……上手くばらけているし、とりあえず予定通り仕留めるか」
【影の剣】を発動すると、離れた一体に襲い掛かった。
「はっ!」
まずは【浮き玉】を回転させながら尻尾で大きく前を薙ぎ払うと、出来た空間に飛び込んで、そのままカエルもどきの頭部目がけて左足を前に突っ込んでいく。
「おっと……直撃か!」
真っ直ぐ突っ込むだけの攻撃だし、コイツ等もコンディションさえ良ければ簡単に躱せていただろうに、簡単に直撃してしまった。
コイツは前足は切断していないし、俺が与えた傷は舌だけのはずなのにこの有様。
大分弱っているな。
もっとも、いくら弱っているとはいえ、これくらいで死んでくれるほど貧弱じゃないのはわかっている。
だから、俺はそれで手を止めたりはせずに、蹴りで仰け反ったカエルもどきの脇をすり抜けると、すり抜け様に【影の剣】で頭部を斬り落とした。
さらに、切断した頭部が地面に落下する前に、左足で遠くに蹴り飛ばす。
頭を斬り落としたくらいじゃ死なないコイツ等も、とりあえず頭部と胴体を遠ざけてしまえばどうにもならないだろう。
「中々苦戦させてくれたけど、とりあえずようやく一体目か。数が減っていけばそれだけオレも自由に動けるし、これなら……すぐに片づけられそうだね」
次の相手を決めるために、一旦高度をとって全体の様子を探ることにした。
残りの六体は、普通に姿を見せているのもいれば倒れた木の陰に潜んでいるのもいた。
「ふぬ……さっきまでは不用心に姿を見せていたけど、自分が不調だってことをわかっているみたいだね。まぁ……でも、それならソイツ等は後回しにして……うん?」
倒木の陰に潜んでいたカエルもどきたちが何故か一斉に這い出てきた。
折角隠れていたのに何でまた……と首を傾げていると、姿を普通に見せていたカエルもどきたちもバタバタと動き出した。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・8枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




