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「ほっ!!」
地面に転がるアンデッドの腕めがけて、俺は左足を連続して振り下ろす。
既に両足は砕いているし、さらに両腕も砕いたことでコイツは行動不能になった。
そして、動けないでいるアンデッドの首をコイツと対峙していた隊員が、槍を叩きつけてへし折って、戦闘は終了だ。
「片付いたな、副長」
隊員が「ふう……」と息を吐きながら、向こうで戦っていたアレクたちの方を見るが、向こうの戦闘も丁度終わったところらしく、遠巻きにしていたジグハルトたちが集まって来ていた。
こちらが2体で向こうは3体……アレクが受け持っている方が討伐ペースは速かったな。
ちょっと向こうの戦闘の様子にまで気を配ることは出来なかったが、アレクがメインを務めたんだろう。
ことが片付いたら、アンデッドの効率のいい対処法でも教えてもらおうかな。
まぁ、それはそれとして。
「みたいだね。行こうか」
「ああ」
こいつらもまだ行動不能にしただけだしな。
さっさと合流してしまおう。
アンデッドは……彼等に任せたらいいか。
こちらに向かってくる隊員たちを見てそう言うと、アレクたちがいる方に【浮き玉】を進ませた。
◇
「お疲れ様。皆怪我は無いみたいだね」
「あの程度のならな。とはいえ……いいところに戻って来てくれた。お前がいなければもう少し長引いていたかもしれないな」
俺の言葉にそう答えると、アレクはさらに奥を指した。
移動しようってことだろう。
……まぁ、この一帯は散々ジグハルトたちが魔法を撃ちまくったから、雨を避ける木どころか草一本生えていない程だもんな。
既に戦闘に参加していなかった隊員たちが、こちらのアンデッドを回収して運んでいる。
俺は頷くと、小走りのアレクの後をついて行く。
「ソレってここで調べるの?」
木陰に到着した俺は、布に包まれているアンデッドを指すと、その指示を出しているオーギュストに、どうするつもりなのかを訊ねた。
わざわざ破壊し過ぎないように加減して戦ったのは、このアンデッドを調べるためだ。
だからこそこうやって回収しているんだが、どこで調べるのかだよな。
俺の言葉に、オーギュストは「いや」と首を横に振った。
「セラ副長が回収した木片と合わせて、先に隊員たちに拠点に運ばせる」
「先に……ってことは、隊を分けるのかな?」
「ああ。残るのは私たちだ。セラ副長も構わないな?」
「……私たちってことは、四人だよね? そりゃ、別に構わないけど」
俺はオーギュストとジグハルト、アレクの顔を順に見てそう呟いだ。
このメンツをオーギュストが選ぶ時は、大抵ちょっと危険なことを引き受ける時だ。
もうここまで来たらその危険なことってのは、大物との戦闘を指しているんだろうが……まだどこにいるかとか、そもそも何かとか判明していないよな?
この辺をうろつく目ぼしいアンデッドは一掃したし、隊を分けても問題は無いと思うが、そもそもその必要はあるんだろうか?
俺は首を傾げながら、隊員に指示を出すオーギュストを眺めていた。
◇
別れた隊員たちの姿が見えなくなるのを待って、俺たちも移動を開始した。
ちなみに、どこを目指しているのか俺は知らないが、3人は迷う素振りも見せずに、真っ直ぐ北に向かって歩いている。
「ねー」
「どうした?」
「どこに向かってるの? 別に同行することは構わないんだけど、どこに何をしに向かってるのかは知りたいよ。ボスでも倒すの?」
俺の言葉に「そうだな」とオーギュストは言うと、二人をチラッと見た。
その視線を受けて二人は頷くと、まずはアレクが口を開く。
「森にネズミのアンデッドが溢れていただろう? アレはどう考えても不自然な出来事だ」
「うん……普通だったらあんなに大量にアンデッドになったりしないもんね」
死体が簡単にアンデッドになろうものなら、それこそこの世界もっとアンデッドが溢れているはずだ。
簡単にしか教わっていないが、色々条件が重ならないといけないはずだ。
まぁ、先日の件から続く一連の出来事だとは思うんだが……。
俺はアレクの次の言葉を待った。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・8枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




