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人間のアンデッドを相手にするのは領都の地下以来だが、あの狭い場所での戦いに比べたら広々としているし、一緒に戦うメンツの数も多い。
何より、俺はアンデッドたちの正面には立たないし気楽なもんだ。
とはいえ、各アンデッドは剣やデカい棒切れを手にしているし、元が冒険者だったのか、鎧も身に着けている。
ってことで、まずはアレクをフリーにさせるために、アレクが対峙しているアンデッドの背後に移動すると、動きが止まるタイミングを計って……。
「ほっ!」
アンデッドの攻撃を盾で受けとめたアレクが、そのまま抑え込んだことで動きが止まった。
そのタイミングで、俺は背後から足目がけて尻尾を叩きつける。
「上手いぞ!」
足を折った感触は無かったが、それでもアンデッドは大きく体勢を崩し、その隙を突いたアレクが、アンデッドを盾で大きく弾き飛ばした。
「はっ!」
アレクは、アンデッドが起き上がる前にすかさず剣で両足を叩き折ると、さらに両腕も斬り落とした。
さらに、止めとばかりに首も切断している念の入れようだ。
「ぉぉぉ……まぁ、アンデッド相手じゃ仕方ないか」
少々やり過ぎだという気がしなくもないが、相手はアンデッドだ。
普通の生物だったら致命傷になるようなダメージでも問題無く動いたりするし、ああやって手足を潰さないと、いつ襲い掛かって来るかわからない。
一気に消滅させるのがベストなんだが、ちゃんと体を残しておいて、後で調べないといけないもんな。
そんなことを考えながら転がっていく頭を眺めていると、アレクの指示が飛んで来た。
「セラ! お前は向こうを頼む。俺はこっちをやる!」
「む? 了解! ……速いね!」
と、返事をする前にもうアレクは別のアンデッドに向かって走っていた。
その行動の速さに驚きはしたが……とにもかくにもここを片付けないとどうにもならない。
俺もグズグズしてられないな!
気合いを入れ直すと、アレクに指示された方の援護に向かうことにした。
◇
さて、大して離れていたわけでもないし、移動を開始してすぐに先程のアレクの時と同様に、援護する隊員が対峙しているアンデッドの背後に回り込んだ。
「こっちは……劣勢とまではいかないけど……」
どう援護するか、一先ず戦っている様子を観察してみたんだが……何とも言えないな。
【祈り】を使うほどではないが、アンデッドが型も何もお構いなしに手にした棒切れを振り回す攻撃に、対処しかねている。
アレクのように強力な盾を持っているわけでもないし、距離をとるしかないって感じだ。
彼が持っている武器は槍で、アレクのように手足を斬り飛ばすことが出来ないってのもあるだろう。
その分距離をとっての牽制は剣より向いている。
アレクの時は、俺が援護で止めはアレクに任せていたが……こっちは逆だな。
「オレがやるから、適当に引き付けといて!」
「っ!? 任せろ!」
彼はそう返事をすると、槍を大きく振り回しながら、アンデッドが持つ棒切れを弾いている。
アンデッドがそれをどう感じているのかはわからないが、完全に意識はそちらに向かっているようで、背後の俺を全く警戒していない。
「せー……のっ!」
ガラ空きの背後から、まずは右足目がけて尻尾を叩きつける。
当然ではあるが、狙い通り膝辺りに命中して、バランスを崩すことに成功した。
すかさず接近した俺は、そのまま【緋蜂の針】を発動した左足を、アンデッドの肩目掛けて突き刺す。
胴体や頭部は無事だが、その一撃で片腕が吹き飛んでしまい……。
「うおぉっ!?」
側で槍を構えていた隊員に破片が飛んでしまったらしい。
何やら叫び声をあげているが、俺は「ごめん!」と一言謝ると、さらに攻撃を続けていく。
再び足を狙い体勢を崩させると、今度は反対の腕を。
両腕を失いまともな攻撃が不可能になったアンデッドに、今度は尻尾で足払いを仕掛けると、腕が無いことでバランスが取れないのか、簡単に転倒させることが出来た。
ここまで来たら後はもう足を踏みつけるだけだ。
俺は起き上がれないでいるアンデッドを見下ろすと、「よし……」と呟いて、順に両足を踏みつけていった。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・8枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




