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「あそこだ!」
前方の開けた場所。
あそこから爆発音とともに、チカチカと砂埃の奥で閃光が走っている。
俺が一度拠点に戻っていた間に大分様子が変わってしまっているが、あそこが皆がいる場所だな。
「それにしても……この雨の中砂埃が舞ってるのか。どれだけ魔法を使ったんだろうね?」
地面に生えている草や周りの木が、ジグハルトの魔法で燃えて炎が上がったり、その熱で地上の水分が蒸発して霧のようになったり……ってことならわかるんだが、砂埃が上がるってことは、あそこの地面はもう乾燥しきっているんだろう。
「あそこに突っ込むのは……ちと怖いね。迂回するか」
真っ直ぐ突っ込むつもりではあったんだが……思った以上の惨状に尻込みしてしまい、北側に大きく迂回していくことにした。
もう目の前なのに遠回りするのは時間のロスだが、その分速度を上げてカバーだ。
ってことで、チラチラ様子を窺いながら俺は北に向けて飛んで行った。
◇
「……アンデッド!? 何でこんなところにっ!?」
戦場を北に迂回していた俺は、川の側にまで出ていて、この辺りから皆の裏側に回っていこうと思っていたんだが、その川のすぐ側をうろつくアンデッドの姿に【浮き玉】を止めてしまった。
そのアンデッドは2体のゴブリンだ。
数は多くないし、アレクたちの脅威になるような相手じゃないんだが、それでもこちら側にまでアンデッドがいるって事実が面倒だ。
「北の拠点周辺にはアンデッドの姿は見なかったし、この辺りだけみたいだけど……それでもこっち側にまでいるか」
川沿いを移動していた時はアンデッドは馬の2頭を見ただけだったし、俺が思っている以上に広範囲にうろついていることに驚いてしまった。
「まぁ……こちら側だけみたいなのは朗報かな?」
こちら側ではほとんど生物に出くわさないのに対して、反対岸には川から少し距離をとった位置に、こちらの様子を窺っている魔物の気配が見える。
とりあえず、アンデッドがうろついているのはこちら側だけなんだろう。
この森全体にアンデッドが広まっているようだったら、流石に雨季とか関係無しに、リアーナ中の戦力を動かす必要があったかもな。
「まぁ……さっさと片付けるか。あの程度なら蹴って尻尾でぶん殴れば粉々になるだろうしね」
グズグズしていたら、置いてきた隊員も到着するかもしれない。
その前に合流しないとな。
「よし……行くぞ!!」
俺は気合いを入れて恩恵品を発動すると、2体のアンデッドに襲い掛かった。
◇
「敵かっ!? おい、後ろに……副長か……」
集中を削いでしまうかもしれないし、物音をたてないように気を付けてはいたんだが、尻尾と風が茂みや枝に触れてしまったようで、ガサガサと音が出てしまった。
その音を聞いてすぐに一人の隊員が武器を向けてきたが、俺だと気づくと、ホッとした表情で武器を下ろした。
そのやり取りが耳に届いたのか、離れた位置で指揮を執っていたアレクがこちらにやって来る。
「怪我人の搬送ご苦労だったな。だが……後ろから来るとは思わなかったな」
「オレも正面から来るつもりだったんだけどね。思った以上に派手に魔法を使ってるみたいでさ。あ、もうすぐ一緒に拠点に行った人が来るからね」
「わかった。おい、誰か迎えに出てくれ」
アレクの呼びかけに、一人がすぐに走っていく。
その際に魔法を使っている者たちに、大声で「こっちに撃つなよ!」と伝えていた。
それだけで東側に飛んでいた魔法がピタッと止まっている。
「……アレだけで魔法を止めるってことは、別に何かを狙って撃っていたわけじゃないの?」
「ああ。奥からこちらに流れ込んで来させないようにするための壁代わりだ」
「流れ込んで……? 何かいるの?」
「ネズミだよ……。大量のネズミのアンデッドだ。それがココにドンドン集まって来ていたんだ。お前が拠点に運んだアイツを襲ったのも、ソレだ」
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・8枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




