1497
「悪いな。助かる……」
俺が【祈り】を使ったことにアレクが礼を言うが、気にすることじゃない。
それよりもだ。
「何があったの? 何か変な傷だけど……」
俺は改めて治療を受けている隊員を見た。
周りの隊員にポーションをドバドバかけられながら、随分苦しそうな表情で呻き声を上げている。
あちらこちらに小さい傷跡がたくさんあるのはわかるが、獣や小型の妖魔種に襲われてもこんな傷はつかないだろう。
かといって虫にしては大きすぎるし……。
後は……小動物か……それとも。
「ヘビってわけでもなさそうだよね」
毒ヘビって可能性も一瞬考えたが、傷跡は肉が食いちぎられているし、ヘビに噛みつかれた痕ではなさそうだ。
「わからん。コイツ自身も何に襲われたのかがわからなかったらしい。ジグさんの風の魔法で全部吹き飛んだ辺り、小型の獣だとは思うんだが……どうだ?」
その声に、その彼の治療を行っている隊員が顔を上げた。
俺が向こうからこっちに来た時はもう少し緊迫した表情だったが、ちょっと和らいでいるし、少しは状態は良くなったのかな?
「毒ってわけじゃないが……傷の割に消耗が激しすぎたんだが、副長の加護の効果だな。大分マシになっている。だが、すぐに動けるほどじゃない。コイツは拠点まで運んだ方がいいだろうな」
「そうか……。馬で運んでもいいが……せめて何の攻撃を受けたのかがわからないと動きようがないな」
何だかんだで敵の真っただ中にいるみたいだし、いくら馬に乗ってとはいえ、重傷者を乗せてそんな中を突っ切るのは危険だよな。
アレクの言葉に隊員も「ああ」と頷くが。
「だが、ここで待ち続けるのも危険じゃないか? もし大規模な戦闘が起こるようなら、コイツをどこに置く?」
動かせない重傷者がすぐ側にいるんだ。
ジグハルトもドカドカ派手な魔法は使えないだろう。
そうなると、場合によっては入り乱れての戦闘になるかもしれないし、その時は彼を守る者も必要になることを考えると、ここに彼がいるのはハッキリ言って足手まといだ。
急いで動かした方がいいってのも確かだよな。
二人の話を聞きながら、俺はどうするんだろう……と考えていたが、ジグハルトたちがいる方から響いてくる爆発音に、考えは中断された。
向こうではジグハルトが魔法を撃って、その周りをオーギュストの指示に従って隊員たちが守っている。
相変わらず向こうの状況に変化は無いらしい。
「っ!? ……確かに向こうの状況も変わっていないようだしな。仕方がない。セラ」
「む?」
「コイツを連れて拠点まで下がらせる。お前はその護衛について行ってくれ」
アレクはそう言うと、負傷者を馬に乗せるように指示を出し始めた。
だが、ちょっと待って欲しい。
「……それは構わないけど、往復し続けることにならない?」
いくら馬に乗ってとはいえ、魔物が出るかもしれない森の中を、怪我人を乗せたまま突っ切って外まで行くのは簡単なことじゃない。
もちろん、俺が護衛に付けば話は別だ。
だが、それでも数十分はかかるだろう。
俺が不在の間に誰か負傷者が出て、戻ってきた俺がまた拠点まで護衛を……なんてことになったらどうしよう?
切りが無いよな?
「問題無い。ジグさんの魔法の効果なのか、あるいは警戒を強めていることが効いているのかはわからないが、初めに襲撃を受けたコイツを除けば、負傷者は出ていないだろう? 少なくとも、コイツを襲った魔物は、その程度の強さだってことだ」
「なるほど……了解。それじゃー、急いで拠点まで行こう!」
ジグハルトが向こうに行ったきり場所を変えていないのは、負傷者が魔法の余波に巻き込まれたりしないようにだろう。
負傷者を移動させたら、ジグハルトももっと動き回れるし、強力な魔法を使ったりも出来るはずだ。
俺は負傷者が馬に乗せられたのを確認すると、騎乗している隊員の横に回って、「行こう」と出発を指示した。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・8枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




