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昨日はずっとメンテでしたね。
さて、北の森の一件が関係しているような問題は、この拠点周辺では起きていないことを彼等に伝えると、責任者の皆は揃って真剣な表情で聞いていた。
上から見た限りだが、少なくとも魔物が妙な行動をしているようなこともないし、森から出てきたりもしていない。
街道や拠点周辺の地面が崩れるようなことも起きていないしな。
んで。
「それで、この数日で何か異変とかは起きてます?」
俺がそう訊ねると、皆首を横に振る。
「いえ……朝と日暮れ前に拠点周辺の見回りを出していますが、魔物が近づいて来ることもなければ、周囲に異変もありません。もっとも、あくまで拠点の周辺だけで、森には近づいたりはしていないのですが……」
森に踏み入るのを避けているのと同様で、見回りも拠点の周囲から離れない方針らしい。
見て回ったのは拠点のすぐ側だけらしいが、現時点では何も無い……と。
「うん……今何も起きていないのなら、多分大丈夫」
街道の崩落にせよ魔物にせよ、気を抜くことは出来ないが一種の災害みたいなもんだしな。
起きるなら同じタイミングのはずだ。
今何も無いのならここは大丈夫ってことだろうが……。
「ココって、どこかに救援を求める時とかはどうしてるんです? 狼煙?」
「それもありますが、近隣各所に救援を求める伝令を送ります。幸い今までそこまでの事態は起きていませんが……」
おっさんは話しながらだんだんトーンが下がっていく。
「距離があるしねぇ……とりあえず、今回の雨季の間はオレも来れる時は来て報告を聞くから、小さいことでもいいから、何か見つけたら教えてよ」
「ありがとうございます。兵たちに伝えておきます」
俺の言葉に、おっさんたちはホッとしたような表情を浮かべた。
領都からも他の街からも中途半端に距離がある。
どこに救援を出すにしても、往復に救援の準備の時間を考えると1日近くかかってしまうし、不安だったんだろう。
普段はこの辺にだって定期的に兵の巡回があるだろうし、街道を利用する商人の護衛の冒険者や、ここを拠点にしている冒険者たちもいるから戦力は一応足りているが、この時期はそのどれもがいなくなっている。
北の拠点もそうだが、この辺はどこも同じ問題を抱えているんだろうな。
勝手に俺の予定を追加してしまったが……まぁ、これくらいいいよな?
おっさんたちと話を続けながら、そんなことを考えていた。
◇
「ぬーん……」
さてさて。
拠点での話を終えた俺は、上空から一回りして拠点周囲の様子を探っていた。
魔境にも西に広がる森にも何かしら生物の気配が見えるが、こちらの拠点は北の拠点に比べると、そのどちらからも距離を取っているし、差し当たって危険が迫っているって感じはしない。
平常通りだろう。
「ぬぬぬぬぬ」
そして、街道にも森にも崩落や亀裂が生じている様子はない。
異変無しだ。
今日は移動と拠点での話で大分時間を食ってしまった。
一の森の調査と戦闘も行ったことだし、ちょっと北の森の上空を飛んでみたりもしたかったが、このまま寄り道せずに真っ直ぐ帰還だな。
「うーむ……」
俺は腕を組んで唸りながら、領都に向かう【浮き玉】の速度を上げていった。
◇
領都に到着した俺は、いつも通り冒険者ギルドと騎士団本部での報告を済ませると、セリアーナの部屋に直帰するのではなく、リーゼルの執務室へと向かった。
「お疲れ様でーす!」
警備の兵に開けられたドアを、中に向かって声をかけながら入っていくと、皆がこちらを見ている。
セリアーナの部屋じゃなくてこちらに来たのが意外だったのかもしれないな。
リーゼルはもちろんだが、アレクやオーギュストたちもいるし都合がいい。
「今日も森の調査ご苦労だね、セラ君。こちらに来たってことは、何か報告でもあるのかな?」
「報告って程じゃないんだけどね」
そこで一旦言葉を止めると、アレクたちの顔を見た。
オーギュストとリックは平気そうなんだが、やはりアレクは書類仕事は苦手なのかもしれないな。
いつもより若干疲れたような表情をしている。
それを見て、「うむ」と頷くと、俺は再び口を開いた。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・8枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




