表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
25章・久々のリアーナ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1434/2077

1429

「よいしょっ!」


 俺は適当な木を見つけると、【ダンレムの糸】を発動した。

 今度は先程と違って、ちゃんと木の右側にだ。


 尻尾も発動して木を巻き込みながら弓に巻き付けるが、背中を向けて構えるよりも、やはりしっかりと前向きで構える方がしっくりくる。


「よしよし……。えーと、さっきカエルもどきが出たのは……あの辺だよね?」


 弦を引きながら、俺は水溜まりに視線を向ける。


 俺が先程襲われたのは水溜まりの中央付近で、カエルもどきの胴体は、その近くに沈んでいるはずだ。


 地面から1メートル程度しか高度を取っていない今だと、全体を見通すのは難しく、どこが中央かはわからないんだが、水面に飛び出している木が丁度いい目印になっている。


 俺はその木を目印に狙いを付けると。


「ほっ!」


 掛け声とともに、目印目がけて矢を放った。


「ほっ! ぬぬぬぬっ!? ふぬっ!!」


 矢の威力に押されて暴れる弓を、尻尾と両腕、それに【猿の腕】を使って何とかコントロールしていく。


「ぐぬぬぬぬっ……なんとか抑えられてるかなっ!?」


 カエルもどきは今、頭部と胴体の二つに分かれている。

 いくらほとんど水の流れは無いとはいえ、胴体はまだしも、頭部はその流れに乗ってしまうだろうし、どこかに行ってしまう前に倒さないとな。


 ピンポイントに狙うよりは適当にバラけた方が、広範囲を潰せる分撃ち漏らす確率も減るだろうし、とりあえず前を向き続けるようにだけ気を付けながら、水溜まりの中央付近を狙い続けていた。


「…………よし」


 何がよしかは自分でもよくわからないが、矢の魔力が尽きたところで、俺は弓を解除すると、霧に呑まれる前に急ぎ後退した。


 先程と違って、矢が地面を削らずにモロに水面に直撃したから、霧の勢いは今回の方がずっと強い。


「コレが晴れるのを待つのはちょっと時間がかかりすぎるかな? 水溜まりを一回りして……それで……ん? アレは……?」


 聖貨は得られなかったが、今の一撃で先程のカエルもどきは多分仕留められただろうし、これ以上ここに留まり続けても切りがない……ってことで、上空から簡単に一回りして、領都に戻ろうと考えていたんだが、視界の端に何やら霧の向こうに消えていく赤と緑の光る点が……。


「今の……魔物か? ……ええぃっ!」


 一瞬躊躇いはしたが、俺はすぐに霧の中に飛び込んで行った。


 ◇


「水の中にはいないか……。そりゃそうだよね」


 水面近くを高速で飛び回ったが、水中に生物の気配は無い。

 さっきから何回も確認していたことだし、今更見落とすようなことはない。


 見落とすようなことはしないはずだが……そうなるとさっきのアレはなんだ?


「水溜まりの外に逃げていったのかな……?」


 穴に潜ってジッとされたら流石に気付けないが、そもそも動いていたから気付けたわけだしな。

 それなら、この水溜まりから外に逃げた何かって考えるのが妥当かな?


「あの4体のうちの生き残りか、実は全く新しいのが今まで隠れていた……とか。後者の方がありそうかな? 今まで潜んでいたけど、さっきの水中への一撃で危機を感じて逃げ出したか……」


 地面を削りながら水溜まりの端に着弾した最初の一発目と違って、さっきのは水溜まりの中央に直接撃ち込んだわけだし、水中への影響は段違いだろう。

 逃げ出すこと自体は別に理解出来なくもないが……。


「今から追えるかな? ……それに、新しく1体出てきたってことは、まだ他にもいるかもしれないよな」


 俺は今の状況を確認するために、一旦霧を飛び出て森の上空に移動した。


 霧の影響もあって、下の水溜まりの様子は肉眼ではまだ見ることは出来ない。


 だが、【妖精の瞳】とヘビの目を使っても、何の生き物も発見出来ないし、とりあえず今はここを気にしても仕方がないだろう。


 それより、逃げていった1体だ。

 ちょっと面倒な魔物を森に放ってしまったかもしれない。


 俺は地上の様子に目を配りながらどう対処するかを考え続けたが、俺自身で解決する手段は考え付かなかった。


 だが、その代わりに、とりあえず今やっておいた方がいいであろうことは考え付いた。


「…………そうだね」


 一言呟くと、【浮き玉】を南に向けて発進させた。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・7枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] まだまだ変なのが居るよ!!
[一言] 本当に謎生物だねぇ
[良い点] ダンレムを二発も撃たされたからやっぱりカエルもどきは強いな、まだ何かしらの生き残りがいるっぽいし
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ