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談話室を出た俺たちは、そのまま揃ってセリアーナの部屋に向かっていた。
俺はもうこのまま寝るつもりだが、セリアーナたちはまだお喋りでもするんだろう。
「セラ」
階段を上がって2階の廊下に出たところで、フィオーラが俺の名を呼んだ。
「うん? どうかした?」
「部屋に着いてからでいいから、もう少し話をしたいのだけれどいいかしら?」
「話? ……いいけど」
フィオーラは先程の談話室では、主にアレクたちの話の補足をしていたが、何か彼女も聞きたいことでもあったのかな?
首を傾げる俺に、フィオーラは申し訳なさそうな表情でこちらを見ている。
「ごめんなさいね。貴女が倒した魔物の死体の残骸からわかったことを伝えておきたいのよ」
「あぁ……あの灰とかだね。もう何かわかったことがあるんだ」
「少し……だけれどね。本格的に解析を進めるのは明日以降になるけれど、貴方の部下が森の探索を始めるのは明日からでしょう? とりあえず今日の段階でわかっていることを伝えた方が、探索の効率が上がるはずよ」
「なるほどねー……それもそっか」
今回の調査の目的は北の森の探索なんだが、捕らえた商人たちが何をしたのか調べることも含まれている。
あのヘビのアンデッドが下ってきた川も調べることになるだろう。
当たり前だが、北の森の水辺に近づくわけだし、カエルもどきの情報が少しでもある方がいいよな。
「ええ。まあ、すぐに終わるから安心しなさい」
話は終わりなのか、フィオーラは前を向いた。
「……ふぬ」
どれくらいのことを話すかわからないけど、まぁ……すぐ終わるって言ってるし、長くはならないだろうな。
俺はそう気楽に考えながら、皆に速度を合わせてゆっくり飛んで行った。
◇
「……ふわぁぁ。ねみぃ……」
遠くで雷の音が轟く中、俺は欠伸を噛み殺しながら一人街道を北に向かって飛んでいた。
今日は同行者はおらず、俺一人で飛んでいるため速度は昨日よりもはるかに出ている。
このまま何も起きなければ、1時間もせずに調査隊のメンバーが滞在している拠点に到着するだろう。
「んー……昨日は何度も戦ったけれど、今日は街道に出てくる魔物は1体も見かけないね。まぁ……高度を昨日に合わせたらまた違うかもしれないけど、やっぱり先に少数で街道を移動していたから、それで引き寄せられたのかな?」
チラッと街道の東西に視線を送るが、何も見当たらない。
念のため何時でも戦闘に移れるように、恩恵品は発動しながら飛んでいるが、このまま出番は無いかもしれないな。
「……あふっ」
再度でかい欠伸が出た。
「やっぱ昨日寝るのが遅かったからかなぁ?」
目を擦りながらそう呟くと、昨晩の出来事を思い出した。
昨晩セリアーナの部屋に移動してからフィオーラの話を聞いたんだが、それが思いのほか長引いてしまった。
フィオーラの話した内容は、回収したカエルもどきの死体を焼いた灰から、僅かに残っていた魔力を抽出することが出来たってことと、そこから生息地を割り出せるかもってことだった。
研究所に保管している試料から、どの辺に生息しているか、細かく分析したりも出来るかもしれないそうなんだが、流石にそれは間に合わなかったため、取り急ぎ大まかに区切った範囲だけ教わる予定だったんだが……。
最初は簡単に纏めるつもりだったようなんだが、紙に書いて説明をし始めたあたりで火が点いてしまったのか、結局大分遅くまで話は続いていた。
「雨が降っているからとはいえ、目と鼻の先なのに昨晩は帰らないで屋敷に泊まってたもんな……」
ジグハルトは一の森の拠点に行っているし、雨季の間は身の回りのことを任せる者がいる屋敷で過ごすってのも、仕事が捗るからいいかもな。
「オレも持ち帰った試料をすぐ届けることが出来るしね」
俺は【浮き玉】の速度はそのままに、チラッと腰に下げたポーチに目をやった。
ポーチにはフィオーラから預かった、特殊な加工がされている小瓶がいくつか入っている。
俺の今日の仕事は、より詳しく分析するために北の森の各所から土を採取して持ち帰ることだ。
そのための地図も預かっているし、頑張らないとな!
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・6枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




