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「オレたちが案内された宿泊所の他にも、デカい建物が多いね……。地上からだとよくわからなかったけど、広さもしっかりあるし。王都圏の小さな村と比べたら、こっちの方が広いよね」
定住している住民の数に比べて、敷地も建物の数も規模もずっと大きい。
だからこそ、冒険者や商人はもちろん、突発的にやって来た俺たちも受け入れることが出来ているんだろう。
「でも、その分拠点内に住民の目が届かない場所も出て来てるのかもね」
俺は先程ここの責任者のおっさんたちから、拠点内の地図を預かっていた。
その地図はあくまで簡単に描かれた物で、この拠点の敷地と主要な建造物が描かれているだけで、この拠点の最新の情報が描かれているわけじゃない。
だから、その地図に記されていない建物も当然いくつもある。
上から眺めているとわかるが、所々通りと導線が繋がっておらず、死角になるような場所が存在している。
領都と同じように建物を少しずつ増築していったんだろうが、しっかり計画を建てていった領都と違って、空いた土地に適当に建てていったんだろうな。
無計画と言ってしまったらそうなんだが、いずれ放棄するかもしれないし、その辺は一緒にしたら駄目か。
それと、拠点を守る木の塀がグルっと囲むように立てられているが、それが丸太で作った杭だってのも理由かもな。
領都はもちろん、他の街も塀の上から警備の兵が周囲を見張っているが、これでは上を人が歩く事は出来ないから、どうしても死角は多く出来てしまう。
「とはいえ……それでよからぬことを考えている連中が、その死角を利用するようになったら困るよな。ちょっと伝えておこうかな」
建物を取り壊すことは無理だろうけれど、たまにそこに見回りが行くってことが知られるだけでも大分変わってくるだろうしな。
「とりあえず拠点内の大体の配置はわかったね。それじゃー……次は」
俺は気合いを入れると、地上の様子に目を凝らしてみた。
◇
先程までは拠点の塀沿いに飛んでいたが、俺はそこから拠点の中央に戻ってきた。
アクセスがいいからか、ここの主要施設だったり住民の居住施設や、俺たちが案内された宿泊所も建っている。
んで、そこから拠点全体を見渡しているんだが……。
「あー……やっぱり中に人がいない建物も多いね」
わかってはいたが、住民の住居は固まっていて、中央から離れるにつれて空き家になっている建物も多い。
雨が降っているから、住民の大半が外を出歩かずに家の中にいるから、空き家が目立つこと目立つこと。
「まぁ……わかってはいたことか。それにしても、結構腕が立つ人が多いね。アレが普段からココの守りとかもやってる冒険者たちかな?」
気を取り直して、拠点内に留まっている者たちの様子を探ることにしたが、場所を考えたら当然なのかもしれないが、中々腕が立つ者が多い。
ここにいる大半が、現役の冒険者だったり、元・冒険者とかなんだろう。
ただ、問題というほどではないが、一つ気になることもある。
「皆魔力の量が少ないね……。魔法を使えそうなのは何人かいるけれど、ほとんどが魔道具を起動出来るかどうかってくらいかな?」
この拠点内だけで生活するんならそれでも問題は無いんだろうが、あのカエルもどきの例もある。
魔法を使える者がいた方がいいのは間違いない。
「でも……そういう腕が立つ人は、大抵は領都とか大きい街を拠点に活動しているだろうし、こんな所には来ないか。普段なら入れ替わりはするけど、護衛を務められるレベルの冒険者がいるし、今までも大丈夫だったんだろうけれど……」
森の水辺でしか見かけなかったカエルもどきが街道にまで現れたし、アレがいつこの辺に姿を見せるかもわかんないもんな。
一応ここに残る1番隊の兵たちなら多少の魔法を扱えるし、魔法がないと厳しい魔物と戦うことになっても何とかなるとは思うが、ここ以外の拠点はどうだろうな?
俺はメモをする手を止めて、「うーむ……」と1分ほど首を捻っていたが、唸るのを止めて前を向いた。
「とりあえず見るものは見たし、宿に戻ろうかね。他所のことはここで考えても仕方がないし、領都に戻って報告しといたらいいか」
俺は「うむ」と頷くと、宿に向かって高度を下げていった。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・6枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




