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案内役のテレサについて行くと、玄関ホールを通り越して屋敷の地下に繋がる階段がある廊下に入った。
ってことは、騎士団本部に集まっているんだな?
冒険者も一緒だし、領主の屋敷より騎士団本部の方が集まりやすいもんな。
まだ早朝ではあるが、廊下には使用人の姿もある。
彼女たちに聞かれて困るような話はしていないが、それでも、念のため俺たちは黙って移動を続けていた。
廊下を移動する俺たちを見て、頭を下げてくる使用人たちを通り過ぎること数回。
地下への階段の手前までやって来た。
「それじゃあ、セラ。私はここで戻らせてもらうね。君なら心配は不要だと思っているけれど、外の移動は油断せず気を付けるんだよ」
エレナがついて来るのはここまでのようだ。
今はセリアーナが部屋に一人きりになっているし、彼女のもとへ向かうんだろう。
セリアーナには普段は俺が付いているが、今は彼女は一人きりだし、誰かが側にいなければいけない。
何か危険が迫っている……とかそんなことはないが、だからといってフリーにしちゃいけないよな。
「大丈夫大丈夫。また夜ね」
軽い調子でエレナに別れを告げると、俺たちは階段を下ることにした。
テレサと二人で階段を下りている最中、テレサが手に持っている俺の荷物を軽く持ち上げて、こちらに見せてきた。
「……姫、下に馬車を待機させていますが、この荷物はそちらに積み込みますか? それともご自身で運んで行かれますか?」
テレサが今持っているのは、昨日用意してもらったポーションが入っているケースだ。
俺の腰のポーチにもポーションは入っているが、こっちのケースには、それとは別に纏まった量が入っていて、主に調査隊のメンバー用の物だ。
隊の責任者ってことで、俺が中身の補充も含めた管理を任されている。
さて、それをどうするか。
一番良いのは【隠れ家】に持って行くことだが、それは論外だ。
それならどうするかってことで、サイズ的に持ち運べないこともないが……。
「そうだね、馬車の中に乗せるよ」
「承知しました」
等と話をしていると、あっという間に地下訓練所へと辿り着いた。
そして、地下訓練所を通り抜けて、地下に繋がる通路へとさらに進んで行った。
◇
「お早うございます。4班13名集合済みで、何時でも出発は可能です」
騎士団本部のホールに出ると、俺たちに気付いた調査隊のメンバーの一人が駆け寄って来て、既に全員集合していることを伝えてきた。
流石はこの時期のこの時刻。
普段は、手の空いたウチの兵だったり1番隊の兵がたむろしているここもガラガラだ。
……というよりも、調査隊のメンバーの姿も13人には大分足りていない。
「お早う……他の隊員は?」
「はっ。本部から出てすぐの場所に馬車を止めていて、他の者はそこで待機しております」
「あらららら……」
外と言っても、屋根くらいはあるし野晒しってわけじゃない。
それに、もう冷え込む時期は過ぎているし、大丈夫だとは思いたいが……ここでのんびり挨拶をしている場合じゃなさそうだ。
「雨の中待たせるのも悪いし、急いだほうが良さそうだね。テレサ?」
「そうですね。出発の報告は後で私が代わりに行っておきますので、外へ参りましょう」
俺はテレサの言葉に「うん」と頷くと、隊員たちに向かって「行こう」と伝えて、入り口のドアに向かって行った。
◇
隊の兵が言った通り、騎士団本部から出てすぐのところに馬車が停めてあった。
馬車は2頭牽きの中々大きな物で、さらにそのすぐ側に馬用の雨避け装備をした5頭の馬もいた。
「よう、副長。俺たちは何時でも行けるぜ」
声をかけてきたのは2番隊の兵だ。
彼も馬と同様に、雨避けの外套を羽織っているし、あの5頭のうちのどれかに乗っていくんだろう。
「うん、お待たせ。……馬5頭ってことは、2番隊も乗るんだよね? どんな編成なの?」
「1番隊の一人が馬車を操縦して、残り二人が周囲に付く。2番隊も、俺の班がそのまま護衛に入るな。もう一班と冒険者の4人は中で待機だ。何もなければそのままだが、いざって場合の戦闘兼交代要員ってところだな」
俺はその言葉に「なるほど……」と頷いた。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・4枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




