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「……ふんっ!」
布団から跳ね起きると、部屋はもう明るくなっている。
これは寝過ごしたかっ……と、慌てて周囲を見ると。
「あら?」
ベッド脇の椅子に座って本を読んでいるセリアーナと目が合った。
「あ……セリア様」
一旦落ち着いて部屋の中を見ると、明るく見えたのは照明が灯されていたからだった。
窓の方に目をやると、夜は明けているがまだまだ薄暗く、早朝なのがわかる。
どうやらちゃんと起きることが出来たようだな。
「ちゃんと起きれたのね。もうすぐ起こそうと思っていたのよ」
「ま……まぁね! 出発時刻は朝早くだからね。ちゃんと起きるよ!」
そう言ったはいいが……どうやら俺が、寝過ごしたかと慌てていたことがばれているようで、俺の言葉にセリアーナは笑っていた。
「フッ……それは結構。でも、まだ出発まで時間があるし、ゆっくり着替えでも済ませておきなさい」
「……はーい。よいしょっ!」
俺はベッドから抜け出すと、足元の【浮き玉】に乗って浮かび上がった。
そして、着替えの前に外の様子でも見てみようかと、窓際に移動する。
「相変わらずよく降るよねぇ」
窓の外は大雨で、雨雲で日が隠れて薄暗いままだ。
寝室からだと見える範囲に限りはあるが、こんな中移動することになる兵たちは大変だよな……。
俺も一緒に移動するんだが、俺には天候は関係ないしな……と、他人事のようなことを考えていると、ベッドの向こう側に座っていたセリアーナがこちらにやって来ていた。
「この時期はいつもこんなものよ。雷の音は聞こえないし、雨足は強いけれど、馬の足に支障はきたすことは無さそうね」
「予定通りいけそうかな?」
「どれだけ足場が荒れているかね。ウチの兵たちはこの時期わざわざ街道を移動したりはしないのよね。お前は移動中は外に出ているんでしょう? ついでに調べて置いたら役に立つはずよ」
「街道の水溜まりの数とか規模とか……後は場所とかだね? 記しておくよ」
街道の整備も騎士団の仕事だし、それの一環だと考えたら丁度いいかもしれない。
魔物の索敵以外にもやることが出来そうだな。
退屈しないで済むのはありがたい。
「よし……それじゃ、着替えてくるよ」
今のお喋りで完全に目も覚めたし、サクサク着替えを済ませて来ようかな。
俺はセリアーナにそう告げると、自室に向かうために寝室を後にした。
◇
楽な恰好でソファーにもたれながら本を読んでいたセリアーナが、その本を閉じると顔を上げた。
「そろそろ下に集まっているようね。お前の用意はもういいの?」
下が玄関ホールなのか騎士団本部なのかはわからないが、今日出発する調査隊はもう揃ったようだ。
着替えも済ませたし、身だしなみも整えた。
持って行く分の恩恵品は身に着けたし、表に出ている分以外の予備のポーションは、昨日までに【隠れ家】に準備している。
壁に立てかけている剣は、テレサにベルトの調整を任せるために渡した物だが、それも昨晩仕上がって返って来た。
ポーチにはポーション以外の魔道具も詰め込んでいるし、後はジャケットを上から着るだけだ。
「うん。大丈夫だよ」
俺はセリアーナにそう答えた。
「結構」
セリアーナがそう呟いたタイミングで、部屋のドアがノックされた。
セリアーナが「入りなさい」と言うと、テレサとエレナが中に入って来る。
「お早うございます。姫、下の準備が調いました。そろそろ出発になりますが、姫の用意はよろしいでしょうか?」
「うん、用意出来てるよ」
俺はジャケットを着てポーチを腰に巻いて……壁に移動すると、「よいしょ」と剣を背負った。
準備は完了だ!
「それじゃー、行って来るよ。夜には戻ってくるからね」
「ええ。無理はする必要は無いわ。程々にこなして来なさい」
今の服装から何となく予想は出来ていたが、セリアーナは見送りには来ないようで、ソファーの上から声をかけてきた。
俺はそのセリアーナに「はいはい」と応えると、【浮き玉】をテレサたちの元に向かわせた。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・4枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




