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「確かにセラ君なら、隊を率いての調査は問題無くこなせるだろうけれど……」
リーゼルは困り顔でそう言った。
「調査隊を送る以上は、10日から2週間程は向こうに留まって調査を行ってもらうことになると思うんだ」
「ふぬ」
まぁ……手が空いた者たちとはいえ、わざわざ騎士団から兵を派遣するんだ。
何かしらの成果は欲しいよな。
んで、この天候と雨季に入ったタイミングを考えると、あの冒険者に協力した者はまだまだどこかの拠点に留まったままの可能性が高い。
そうなると、こちらの調査には住民の協力も必要だろう。
何も物証は無かった……ってのも、それはそれで成果にはなるが、何かしら発見が無いと、協力してくれた者たちに示しがつかないよな。
そのためには、ある程度時間をかけて調査をする必要が出てくる。
もっともだ……とリーゼルの言葉に頷いていると、さらに彼は続ける。
「そうなると、君も隊長として留まってもらうことになるだろう。だが、今の君の立場を考えるとそれはなかなか難しいね。テレサ殿やエレナがどうこう出来るならまた別だが……今彼女たちに街を離れられるのは痛いからね」
リーゼルのその言葉を聞いて、部屋の中に視線を向けると、セリアーナとエレナは一緒にいるが、テレサは部屋にはいなかった。
ここに来るまで彼女を見なかったし、冒険者ギルドか騎士団本部に足を運んでいるんだろう。
二人とも忙しいし、俺について来るのはちょっと無理だろうな。
リーゼルが危惧しているのは、リアーナ領以外の貴族家の女性が一人で外泊することだ。
実際に起きるかどうかはともかく、もし俺が一人でいる時に何かしらの事件に巻き込まれると、リアーナ領の問題になりかねないからな。
だが、その二人以外の女性でついてこれそうなのと言えば。
「ルイさんたちはいるけど、ちょっと無理だよね」
主に女性貴族の護衛をしている彼女たちなら、この任務にもついて来れるだろうが……。
「彼女たちか。難しいだろうね」
「あ、やっぱり? 流石にリアーナに来て日が短かすぎるよね……」
首を横に振るリーゼルに、俺も同意した。
いくら身分が高くても、腕が立っても、彼女たちはまだリアーナに来たばかりの余所者だ。
冒険者には顔が利くし、騎士団にも俺やセリアーナの後ろ盾がある上に、先日の魔物との戦闘でも活躍したから、冒険者とも騎士団連中ともそれなりに上手くやっていけるだろうが、街での聞き込みなんかには不向きだろう。
それなら、外の調査を任せる……ってのも、この雨の中女性を外に出すってことで、騎士団連中が住民から否定的に見られるかもしれないし……タイミングがちょっと悪かったな。
だが、そうなると……やっぱり俺が行くのは難しくなるかもしれないな。
「恐らく纏め役はリック隊長の副官の誰かになるだろうね。1番隊と2番隊とでバランスを取れるようにするには、少々人数が必要になるだろうが……オーギュストが上手く調整するだろう」
「そっかぁ……」
纏め役が1番隊の兵になる以上、1番隊の人数が多くなるだろうがそうなると、外の調査をメインでする者の数が少数側になってしまうかもしれない。
両隊とも仲が悪いわけじゃないが、方針が違い過ぎるし上手く行くかな……?
俺は「うーむ……」と再度唸っていると、横から「リーゼル」とセリアーナから声がかかった。
「うん?」
「セラを隊長に就けて送り出しても構わないんじゃないかしら?」
「む……だが、彼女の立場を考えると、それはあまりよくないだろう? かと言って、無理に人を揃えて連れて行かせても、活動の妨げにしかならないよ?」
予想外のセリアーナの言葉に、一瞬言葉が詰まるもすぐに返すリーゼル。
だが、さらにそれにセリアーナは返してきた。
「セラ、お前ならリアーナ北部に存在する街や村のどこからでも、さほど時間をかけずに領都に帰って来れるでしょう? 昼間は外の調査をして、夜には領都に帰還。それでいいじゃない」
俺はそのセリアーナの案に、思わずポンと手を打った。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・4枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




