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ヘビの始末を終えた俺たちは、森から離脱するために外に向かって移動を開始した。
ちなみに、走ったりせずに歩いてだ。
いくら【祈り】で回復しているとはいえ、走りっぱなし戦いっぱなしだったからな。
特にアレクは。
外で魔物との戦闘の指揮を、自身も最前線に立ちながら執って、その後は森に入って魔物を倒しながら捜索して。
さらに、俺が見つけた魔物の群れを、引きつけながら上手く外まで誘導して……そして、さっきまでの戦いだ。
森の外の戦いはもう終わっているみたいだし、無理をせず多少ゆっくり戻ってもいいよな?
ってことで、比較的足場がいい場所を選びながら、森の外を目指しているんだが、その途中で地面に転がる魔物の死体を目にした。
この辺だと俺が倒した魔物じゃないし……。
俺が魔物の死体に目を向けていることに気付いたのか、側を歩くルイが口を開いた。
「私が率いた隊で倒した魔物ですね。一先ず森の捜索を優先していたので、倒した後の処理をせずに放置していました」
「まぁ……それどころじゃなかったもんね。オレも倒すだけ倒してそのままにしてるし……」
「大まかな場所は記録しているので、恐らく騎士団には伝えているはずです」
「ぉぉぅ……」
ルイの言葉に「やべぇ」と唸り声が漏れてしまった。
俺はそこまで本格的に戦闘を行っていたわけじゃないが、それでも森の中をアレコレ飛び回りながら魔物の群れを倒している。
さっき戦ったような、厄介なアンデッドになりそうな大物は含まれていなかったが、それでも放置していいかって言うと、そんなことは無いはずだ。
どうすっかなぁ……と思っていると、同じく側を歩いているテレサが話に加わってきた。
「姫の行動範囲は私が概ね把握していますし、大丈夫ですよ」
「おぉっ!? 流石……」
確かに俺が突っ込む際にはテレサに報告をしながらではあったが、自分も隊を指揮していたのによく把握出来ているな……。
まぁ、お陰で後の始末の手間が、いくらか軽くなるだろう。
そんなことを考えて、俺は「うむうむ」と頷いていると、さらにテレサは話を続けた。
「しかし……この分だと、処理が大分面倒になりそうですね。リック隊長、アレクシオ隊長。戻ってから隊は動かせますか?」
「2番隊は……流石に厳しいな。昼間っから出ずっぱりだし、このところの領都周辺での討伐任務も続いていたからな。リック、お前のところはどうだ?」
2番隊が一年で最も忙しい時期にぶつかってしまったんだ。
ただでさえ今日の昼間の討伐任務なんかは、無理をして行っていたくらいだし、ウチの兵たちも疲労は溜まっているよな。
いくら後始末だけとはいえ、そうそう引き受けられることではない。
「問題無い。ウチが引き受けよう」
リックは、アレクの言葉に即答した。
まぁ、そうなるよな。
もちろん、1番隊が楽をしているってわけじゃないんだが……時期が悪かった。
例年だともうちょっと違うんだろうが、今年は色々イレギュラー尽くめだしな。
森での活動は、あまり彼等向きじゃ無いだろうが、ここは頑張ってもらおう。
「悪いな」
アレクもそう考えているのか、随分軽い口調でそう言うと、リックもリックであっさりと流した。
「構わん。ただし、魔導士と冒険者も利用させてもらうぞ?」
「ああ。冒険者ギルドにもフィオーラさんにも話を通しておく」
「ふん……ここ数日で多少はウチの兵たちも、彼等との連携には慣れただろうしな。本来我々が行うことではないが、上手くやるだろう」
二人の軽口の叩き合いを聞き流しつつ、俺たちは進んでいたが……。
「見えてきましたね」
「おー……なんか帰りは静かだったよね」
ようやく森の終わりが見えてきた。
森に入った時と違って、ここまで魔物も獣も全く目にすることは無かった。
ここら辺一帯は全部倒し尽くしてしまったんだろうな。
普通に考えたら、生息している生物を狩りつくすような真似は避けるべきなんだが、緊急事態だし、お陰で平和に移動することが出来たんだ。
結果オーライかな?
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・4枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




