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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
25章・久々のリアーナ

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 オーガとの戦闘が始まって以来、何度か俺はオーガの群れに突撃を行っていた。

 成果は……微妙だな。


 確実に倒したと言えるのは3体で、行動不能に追い込んだのが2体。

 片腕を切り落としたり、何かしら深手を負わせられたのが3体。


 そんな感じだ。


 ただ、最後のオーガたちは、一応深手を負わせているはずなのに、未だにピンピンしているんだよな。

 血も止まり始めているし、この程度だと影響はないのかもしれない。


 群れの数が減ってきたら、その分俺が有利になってくると思ったんだが、間合いの問題でアカメたちも仕掛けづらいようだし……。


 間合いに飛び込むことと攻撃が一緒に出来る【緋蜂の針】が使えないのが響いているな。


 十数体のオーガの群れ程度なら、これまでダンジョンで何度も相手にしたことがあるし、正直なところどうとでもなると思っていたんだが、甘かったか。


 それに、こいつらはこいつらで俺に対応してきている。


「ふっ! ほっ!! このまま……って、くっ!?」


 狙いを付けた個体目がけて、【琥珀の剣】と【影の剣】でのコンボを決めようとしたが、横からのオーガの一撃に気付き、俺は慌てて回避行動をとった。


 ガラスが割れるような音が響いたかと思うと、その攻撃をしてきたオーガが顔を抑えて悲鳴じみた叫び声を上げる。


「あっぶな……」


 俺は思わず息を漏らした。


【琥珀の盾】が発動したってことは、今のは【風の衣】も突破されているってことだ。

 もちろん、体にピッタリくっついているわけじゃないし、まだまだ俺にその攻撃が当たるわけじゃないが、ちょっと今のは危なかった。

 油断したつもりはないが、ちょっと焦り過ぎたかもしれない。


 俺は「いかんいかん」と、一旦距離をとってから息を整えた。


 だが、ひとつ発見もあった。


「……【琥珀の剣】は腕とかとりあえず届くところに叩きつけてたから、破片もそこに行ってたけど、【琥珀の盾】の方は顔に行ったみたいだね。腕とかだと大した痛みはなさそうだったけど、顔は流石に効くみたいだね」


 今までは【影の剣】で止めを刺すために、一手目を【琥珀の剣】や尻尾での牽制で二手目に【影の剣】にしていたが、もう一手増やしたり、順番を変えてみるのもありかもしれない。


 出来るだけ戦闘に手間をかけたくなかったから、少ない手順でって考えていたが……やってみよう!


【琥珀の盾】を再発動してから、正面にいるオーガに向かって【浮き玉】を加速させた。


「ほっ!」


 俺は無造作に右手の【影の剣】をオーガの腕に向かって突き出した。

 この個体は無傷だが、これまでの戦いを見ているし【影の剣】の威力はわかっているんだろう。

 腕を引きながら身をよじって躱したが、それが俺の狙いだ。


「はっ!」


 俺は、腕を引いたことで空いたスペースに入り込むと、顔面目掛けて左手の【琥珀の剣】で斬りつけた。

 盾の破片の時と同様に、顔に突き刺さった破片の痛みに叫びながら両手で顔を抑えるオーガくん。


 これで首が空いた。


「……よしっ!」


 俺はそのガラ空きの首を【影の剣】で斬り払った。


 ◇


 新しい戦い方を試してみたところ、さらにもう1体仕留めることに成功した。

 ペース自体は多分変わっていないと思うが、それでも先程までよりはスムーズに倒せている気がする。


 先程までは前に前にと来ていたオーガたちも、徐々に下がって行っているし……これは俺の圧力に屈して……。


「……待てよ?」


 下がって行くオーガたちを見て、追い始めたところでハタと気付いた。


 俺の目的は、この群れをアレクたちのもとに行かせないことだ。

 もちろん、ここで倒せるのなら倒すにこしたことはないが、かと言って、あまりアレクたちから離れすぎるのもちと問題じゃないか?


 スムーズに1体を倒せたことに気を良くして、ついつい深追いするところだった。


「そろそろ【祈り】が切れるし、一旦戻った方がいいのかな……?」


【浮き玉】を止めてその場で滞空してみると、下がっていたオーガたちも足を止めた。

 やっぱり俺を釣り出すのが目的だったのか……?

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・4枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] ちゃんと気づけてえらい
[一言] 今日の学び。【琥珀の剣】は破片が当たると痛そうなところを狙って当てよう。役目を忘れて勇み足になるのは良くない。引き下がるときには迅速に。以上を早速実践しよう!できるかな?
[良い点] 更新乙い
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