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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
5章・王都で色々ザックザク
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山を越えてから約20日。

3つの領地を通過しゼルキス領に入り、そして今日ようやく領都に辿り着いた。

その3つの領地はゼルキス領と同じく大森林を切り開いた領地で、とにかく領土が広い。


更に、広さもだがほとんど平地の山向こうと違い、起伏はあるわ森や丘はあるわで、進路を真っ直ぐとることが難しく、戦闘は一度しかなかったのに、日数は倍かかった。

行きはそれほど気にならなかったが、同じ国なのに随分違う。


「1年も離れていると、随分懐かしく感じるわね」


セリアーナは馬車の中から領都を眺めている。

領都から出ること自体滅多に無いそうだし、感慨深いんだろう。

俺はまだここには数ヶ月しか住んでいないし、前世の様に目を離していたら、見た事無いビルがにょきにょき建っている、といった事も無いので、申し訳ないがその感覚は分かち合えないな……。


「人多いね。集めたのかな?」


貴族街に向かうまでの道に、住民が勢揃いとまではいわないが、結構な数が道沿いに並んでいる。

ちょっとしたパレードだ。


「そんなことはしないわ。王都の騎士や武装馬車が珍しいからでしょう?王都からここまで出てくることは滅多に無いもの」


窓から外に向かい手を振りながら説明してくる。


「ほうほう」


大きいイベントなんてそんなに無い世界だ。

確かに、デカく派手な馬車が数台に、見たことの無い恰好の騎士の集団ともなれば、ついつい見たくなってもおかしくないか。


いつの間にかエレナが、セリアーナとは反対の窓から手を振っている。

住民サービスみたいなものなのかな?

ロイヤルな感じだ……。


結局見物人は貴族街入口まで続き、そのまま見送られるように大通りを抜け貴族街に入り、領主の屋敷へと向かった。



「おかえりなさいませ」


門から屋敷に入ると玄関前で第2夫人のフローラさんを中心に勢揃いし、出迎えられた。

普段だとここまでは無いんだけれど、リーゼルまでいるからね……。

最敬礼だ。


リーゼル達はルトルで新領地の開拓の指揮を執るのだが、彼の母親である第一王妃の実家から、開拓の人員が派遣される。

その到着を待ってから、ルトルに移るそうだ。

到着予定は2週間ほど後で、それまではこの屋敷に滞在する事になっている。


第4とは言え、本物の王子様だし緊張するだろう。


さて、それはさておきだ。

この迎えられる側に俺がいる事がひどく場違いな気がする。

リーゼルはもちろん、伯爵夫妻の従者も皆貴族だ。

何となく肩身が狭い気がするし、さっさと【隠れ家】の荷物を置いて退散したい。


「セラ、お前は後ろを手伝いなさい」


挨拶を終えたところで、セリアーナから手にしていた扇を渡された。


後ろを見ると屋敷の使用人達が荷物を下ろしている。

行きと違い、今回は俺達だけじゃないから荷物は普通に積み込んでいる。

もちろん【隠れ家】の中にも大量に詰め込んであるが……。


なにはともあれ、この一行から離れるいい口実になる。

ありがたい。


【浮き玉】に乗ったままだしあまり重いものは持てないが、小物なら窓から運べるから役に立つかな?


「手伝いまーす。先にお嬢様の部屋の窓開けてくるね」


皆が屋敷の中に入ったのを見届け、後ろで作業をしている使用人達に挨拶をする。

何となく顔は覚えているが、数人を除いて名前までは自信が無い。

どういう風に接していたっけ……思い出せない。


学生時代、夏休み明けとかに友達との距離感を忘れていた感じに近いな。

王都のお土産を用意してあるし、それを渡す際にでも名前をそれとなく聞き出そう。


「ああ。重たい物は私達が引き受けるから、小さい物を頼むよ。部屋は覚えているかい?2階の一番左奥だよ」


「はーい」


俺も屋敷の中に入り、2階に上がっていく。

いつも窓から出入りしていたから、中から行くのは新鮮な気がするな。


セリアーナ達の姿が見えないが、食堂にでも行っているのかな?

まぁ、偉い人の姿が無いのは気楽に出来るからいい事だ。

セラ・【隠れ家】【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】・1枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・29枚

エレナ・【】・【緑の牙】・2枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・5枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 今後もセラを連れ回すのだからあんまりそっち方面期待しないとはいえ教育はしないとマズイのでは? セラの恥はお嬢様の恥になるんだし
[良い点] 本当にお嬢様が有能 それとなくセラに気を配ってるし、セラが失敗しそうな所からは遠ざけてる
[一言] 領地開発したら、嫌でも教会は招かないといけないのかな。その前に決着付いて後顧の憂いなくしたいけど。 神像を独自で作れたら教会いらないんだけどね。
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