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「片付いたかな?」
二度三度と突っ込んでは剣を振るって……俺が仕留め損ねた魔物はヘビたちがしっかりと仕留めてくれたし、最後の1体まで踏みとどまっていたから、逃げ出した魔物もいないはずだ。
「さっきアレクたちが倒したのとは、ちょっと様子が違うかな……?」
そうなんだよな。
アレクたちが倒した群れは、俺は見ていないが逃げる素振りを見せていたらしいんだ。
だが、こいつらは明らかに先制で不意打ちを食らった上に、圧倒されているってのに、逃げようとしなかった。
それに。
「10体で聖貨はゼロか」
数体はアカメたちが倒したとはいえ、半分以上は俺が倒している。
もちろん、倒したら必ずゲット出来るようなもんじゃないが、それでも……どうにも終了した感が俺にもないし、これはまだここ以外にいるかもしれない。
10体の魔物を別動隊に出来る規模の群れとなると……いくら北の森がデカいとはいえ、そんなにいくつも無いだろう。
今度こそ、ボスの群れかもしれない。
「死体を置いたままにしておけば、ここで戦闘があったことはわかるだろうけれど、どうしようか?」
下に降りてきた以上、アレクたちと別行動をする必要はあまりないし、未だにボスの正体がわからないし、一緒に行動するのも有りだろうけれど……。
「後ろとはまだ距離はあるか」
振り向いて俺が来た方角を見るが、まだまだ追いついてくる様子は無い。
ここでこのまま待っているってのもひとつの手ではあるが、一箇所に止まり続けるってのも、もし俺のことを気付かれてたらよくない気がするし……どうするか。
「ふむ」
しばし考えこんでいたが、とりあえず俺は魔物の死体やその周辺に照明の魔法を撒き始めた。
「うん。これくらい明るければ遠くからでもわかるよな」
魔物の死体もはっきり見えてしまうし、大分グロイ光景ではあるが、何発も放った照明のおかげでちょっとしたキャンプファイヤーくらいの明るさはある。
これだけ明るければ、離れた場所からでもわかるだろう。
アレクだけじゃない。
俺もだ。
「よし……それじゃー行ってみるか!」
俺はコボルトたちが使っていた棒切れを尻尾と腕で拾うと、先端に明かりを灯した。
そして、気合いを一つ入れて、森の奥目指して出発した。
◇
「こっちは何も無しだね。魔物はいたけどどっか行っちゃったし……」
俺は先程の戦闘があった場所を中心に、西側から捜索を開始した。
高速で移動して、明かりが見えない場所まで来たら戻る……それを繰り返しているが、今のところはまだ怪しい気配は無い。
魔物もいたにはいたが、さっさと逃げていってしまった。
森に入ってから出くわした魔物と同様で、小型ばかりではあったが……違う群れの魔物なんだろう。
仮に、ボスの群れなら逃げ出したりはしないだろうしな。
逃げた方角が南側だったのは若干不味いような気がしなくもないが……アレクたちならあの程度の魔物なら、問題無く倒してくれるはずだ。
「さて、それじゃー……」
振り返ると、明かりが随分小さくなっているしそろそろ戻っていいだろう。
「大体もう半分くらいは見て回ったかな。今はもうほとんどあの場所の正面くらいにいるよな?」
距離は限られているが、そろそろ西側半分は見て回ったはずだ。
後は反対側が残っているが、東側だしな……。
ここから東側となると……一の森が近くになっている。
間にはテレサもいるし、群れのボスが潜むにしては、ちょっと向いていないような気がするんだよな。
このまま北に真っ直ぐ奥まで行った方がいいのかもしれない。
それかいっそまた上空に……。
どうしようかなと考えながらその場で静止していると、小さい光がこちらに向かって飛んで来ていることに気付いた。
「ふっ!」
俺は尻尾で掴んでいる棒を振り回してソレを撃ち落とすと、草の上でしばらく痙攣して、やがて動かなくなった。
光りも見えないし……死んだか。
「何だ……コイツ? コウモリ? 上空で飛んできたのもコレだったのかな?」
直撃したとはいえ、大した力を込めていないただの木の棒の一撃だ。
それで死んだとなると……魔獣じゃなくて、ただの獣かな?
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・4枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




