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一列になったまま徐々に押し上げていく兵たち。
そして、魔物との距離がある程度のところまで近づいたとたん、魔物たちは一斉にこちらに向かって走り出した。
……特に鳴き声のようなものは無かったし、後ろに潜んでる魔物から指示が出たって感じはないか。
「セラ副長!」
「だいじょーぶ! オレは勝手に動くから君たちはそのまま普通に戦って!」
「はっ! お気をつけて。行くぞ!!」
兵たちも魔物の動きを怪しんでいたようだが、俺の言葉にすぐに切り替えて動き始めた。
「……今度は囲むのか」
先程までの彼等の戦い方は、魔物の群れに突っ込んでバラけさせるように動いていたが、今は包囲するように動いている。
目的は、魔物の群れを街に近づけさせないようにかな?
こちらは10騎もいないし、流石に少な過ぎるからしっかり取り囲むのは難しい。
だが、馬を走り回らせることでカバーしている。
魔物たちは兵が持っている剣は大して恐れていないようだけれど、馬は違うらしい。
衝突しそうになると慌てて回避しているが、ドンドン囲いの中に追いやられている。
「ふむ……」
その様子を見つつ、ついでに森の方をチラリ。
「まだ動く気配は無いね。それなら……!」
【風の衣】を張り直して、俺はその囲いの中へと飛び込んだ。
「ふっ!」
囲いの中に入った俺は、まず高速でオオカミ目指して突撃をした。
この程度の小型の魔物なら、【風の衣】を纏った体当たりで吹き飛ばすことが出来る。
「よし!」
狙い通り、俺の進路上にいた何体かのオオカミを吹き飛ばすことに成功した。
そして!
「よいしょー!」
俺は反転して、体勢を崩したオオカミに一気に接近すると、発動した【影の剣】で首を切り裂いていった。
◇
「はっ! ……むぅ。減らせてはいるけれど……不味いね」
つい今しがた、魔物に止めを刺すために振るった【影の剣】を引っ込めながら、そう呟いた。
仕留めるペースこそ遅いものの、着実に魔物の数を減らせてはいる。
ただ、俺は無傷なんだが、少しずつではあるが兵や馬も損傷が増えていっている。
特に馬はな……。
この程度の傷で動けなくなるってことはないし、体力もまだまだ余裕はあるだろうが、森に控えている魔物次第じゃ厳しくなるかもしれない。
一旦皆を下げるべきか……と、後退を考えていたその時。
「あそこだ! お前ら、行くぞ!!」
東側からデカい男の声がしたかと思うと、囲いの隙間を縫うように矢と魔法が飛んできた。
まだ姿は見えないが、この統制が執れていない雑な援護の仕方は恐らく冒険者だろう。
「来たっ!? 一旦オレは下がるよ!」
【風の衣】は発動しているし、あの程度の矢や魔法なら傷つくことなんてないが、彼等が俺が中にいることに気付いて、仕掛けるのを躊躇したら台無しだもんな。
ここは一旦離脱だ!
周りにいた魔物を、尻尾でひと薙ぎしてから俺は上空に離脱した。
上昇するついでに、今の状況を把握しようと周囲を見渡す。
俺たちが戦っていた場所の東側から現れた一団は、ちょうど囲いを作っている兵たちと合流している。
数は10人ほどで……2パーティーってところかな?
応援要請を聞いて、取り急ぎ駆け付けられるパーティーが彼等だったってところか。
「それじゃー、俺はそっちに……ん? どうかした……おや?」
冒険者たちに合流するために、彼等のもとへ移動しようとしたが、俺の代わりに周囲を見張らせていたアカメたちが何かに気付いたようだ。
後ろに引くような動きを見せた。
何事かなと振り向くと、今度は西側からもこちらに向かってやって来る者たちが目に入った。
数はこれまた同じく10人ほどだが、冒険者たちと違って全員騎乗しているし、恐らく騎士団だな?
どうやら、同じタイミングで騎士団本部に要請していた援軍がやって来たらしい。
距離はあるが、先頭の一騎は何やら豪華な装備をしているし、彼は隊長格か。
「ふむ……それならアッチに合流するか」
騎士団の方に合流して戦況を伝えておけば、後の指揮は彼等に任せられるだろう。
そう決めると、俺は西に向かって加速しながら突っ込んで行った。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




