1263 side アレク その2
街に入ったアレクたち討伐隊一行は、まずは北門から東回りに冒険者ギルドに向かい、街まで運んで来た魔物の死体を積んだ馬車を、そのまま死体ごと冒険者ギルドに引き渡した。
そして、同行していた冒険者たちとはそこで別れている。
そのまま冒険者ギルドで、処理と換金とさらに参加した冒険者たちへの支払いまで任せる流れになっている。
今回の討伐隊に参加している冒険者の大半は、先日冒険者ギルドで騒動を起こした者たちで、その処罰の一環で討伐に参加していたわけだが、その連中にもしっかり分配される決まりだ。
参加している理由を考えたらある程度は納得出来ることではあるが、それでも魔境産の素材ばかりだし、支払われる額は相当なものになるだろう。
現金にこだわる必要が無い、資金に余裕があるリアーナだからこその措置だろう。
◇
冒険者たちと別れたアレクたち2番隊一行は、日が落ちて暗くなった通りを、騎士団本部に向かっていた。
通りには街灯が設置されていて真っ暗ということはないが、どうしても設置数が少なく、まだまだ中央通りのような大きな通りでもない限り、夜の街は出歩くには不向きな暗さになっている。
だが。
「……ん?」
通りを歩いていると、兵の一人が何かに気付いたのか短く声を上げた。
その声はアレクの耳にも届いたようで、馬を止めると振り返った。
「どうした?」
「ああ……街の雰囲気がな。何が違うかって言われたら困るが……なんか違和感がねぇか?」
「違和感?」
「……魔物の気配は感じられないな。騒ぎも起きていないし、何も起きていないんじゃないか?」
一行の中には、昨年の教会絡みの事件が頭に浮かんだのか、抜いてこそいないが剣に手をかけている者もいる。
「そうだな。危険は無いし武器から手を放せ。ここは街中だ」
数は少ないが通りには自分たち以外の者もいるし、アレクは慌てて指示を出して剣から手を離させた。
そして、改めて通りや建物の陰に目を向けるが、何も見つけられなかったらしい。
「しかし……違和感か。俺も何も見つけられないが……とりあえず足を止めていないで移動をするぞ」
「ああ……悪いな皆。変なことを言っちまって」
初めに発言した兵の謝罪に、アレクは「気にするな」と答えると、一行の移動を再開させた。
◇
冒険者ギルドがあった南街から中央広場にやって来た。
他の地区と違って、中央広場は住民や宿泊客が利用している飲食店や宿も多数あるため、この時間でも人通りが多く通りに明かりも出ていて活気がある。
そして人通りが増えれば、住民に人気のある2番隊が声をかけられる頻度も増えていき、度々足を止めて対応をしていた。
「……うん?」
「どうした、アレク」
何度目かの住民の声掛けへの対応に足を止めていると、ふと何かに気付いたアレクが小さく声を漏らした。
側にいた兵はその視線を追っていくが、その先には建物しかない。
一体何が……と、訊ねようとするが、アレクは馬から降りて話をしている兵たちのもとに向かっていた。
「ああ……。なあ、アンタ」
「む? おおっ……これはアレクシオ隊長。魔物の討伐任務お疲れ様です……」
兵たちと話し込んでいたのは、この中央通り沿いに店を構える商店主で、アレクに声をかけられると、一瞬驚いたような表情を見せるが、すぐに労いの言葉を述べ始めた。
だが、アレクはそれを遮って先程自分が視線を向けていた方に指を指した。
中央通りから奥に入ったところの建物だ。
「アレは何をしているんだ? ウチの隊じゃないようだが……」
「ああ……アレは1番隊の皆様ですな。今日の夕方頃でしょうか? なんでも、建物の補修作業が遅れている職人たちの支援を、1番隊の皆様が行ってくれると、商業ギルドから通達がありました。ウチの店は大丈夫ですが、奥の小さい店が入っている建物などで、作業が間に合うかわからないところがあると話題に出たりもしていたので、こういう取り組みは助かりますな」
そう言って、男は大きな声で笑っているが、アレクたち2番隊の面子は不思議そうな表情を浮かべていた。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




