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何を討伐したのか……を訊ねると、アレクは「ああ」と短く答えて、魔物の死体を積んだ馬車のもとへと向かった。
その後をついて行くが、その途中で討伐に参加していたウチの兵や冒険者たちの姿が目に入るが。
「……アレクは大丈夫そうだけど、結構皆ボロボロだね。そんなに手強かったの?」
冒険者は魔境で狩りをするには、ちょっとばかり腕が足りない連中も交ざっているが、それでもウチの兵を始め、それなり以上の者が揃っているんだ。
数と装備が充実しているのなら、少なくとも日帰りで行き来出来る範囲の魔物に後れを取るような連中じゃない。
にもかかわらず、治療は済ませているようだが、明らかに深手を負った跡がある者が半数近くいる。
自分で言うのもなんだが、俺抜きだったってことを考慮しても、かなり手強い相手だったんだろうな。
「俺たちの連携が甘かったってことはあるが、強かったな……。それに何より面倒だった。まあ、時期が悪かったな。おい、布を取ってくれ」
「おう」
アレクの指示に、兵の一人が一番前に停車した馬車に被せられた布を除けた。
それと同時に、野次馬連中からの悲鳴と歓声が混ざったような声が上がる。
布の下から現れた魔物の死体は1体だけじゃなくて、何体もあった。
馬車は1台だけじゃないし、加えて、現場で処理した魔物だっているはずだ。
そう考えたら、中規模か大規模相当の魔物の群れだったんだろう。
ただ。
「……なにこれ?」
俺はそれを見て悲鳴を上げたりはしなかったが、代わりに疑問の声を上げた。
俺が知る魔物の群れは、上位の種族が下位の種族を従えるような形を採ったりすることもあるが、それは稀なことで、基本的に同一種で構成されている。
だから、外での狩りの獲物は大抵1種類で、後は精々お零れを狙った魔獣って形が多いんだ。
だが、これは……。
「面倒だっていった理由がわかるだろう? オーガにコボルト、ゴブリン。妖魔種3種類に、クマこそいないが魔獣各種。それに加えて、今日見回った辺りじゃ滅多に姿を見せないヘビやトカゲもだ。原形が残っている物は出来るだけ回収したが、コレ以外にもまだ数がいたな。流石に訓練の時間が足りなかったし連携の甘さはあったが、それでもタイプの違う魔物の群れ相手に、よく戦えたと我ながら思うな」
アレクはどこか他人事のように、感心半分呆れ半分と言ったような声でそうぼやいた。
「本当だよね……。それにしても、何でまたこんなことに?」
「雨季前に餌を求めたり、住処を変えようと移動している最中に出くわしたってところだな。コイツ等も、慎重に移動していたからか、気配を上手く読み取ることが出来なくてな。発見が遅れて避けることが出来なかった。最初は俺たちだけじゃなくて、魔物同士も警戒し合っていたが、すぐに俺たちを排除するような動きに変わった。人間は共通の敵ってことなんだろう」
「なるほどねぇ……まぁ、仕方がないよ。みんな無事だったんだし、気にしない気にしない」
「油断したな」とボヤくアレクを慰めるように、俺はことさら軽くそう言った。
同行する冒険者たちに気を配っていて、魔物の索敵に全力を注ぐことが出来なかったからだろう。
この魔物のごった煮具合だって、偶然に過ぎないんだし、そうそう再現するようなことも無いはずだ。
「それよりも、向こうで商会の人たちが交渉の機会を待ってるよ。何か言って来たら?」
俺の言葉に、アレクは魔物との戦闘について話していた時よりも、さらに面倒臭そうな表情を浮かべた。
「……そうだな。お前はどうする?」
「オレは帰るよ。報告もあるしね。このことも伝えとこうか?」
「ああ……いや、魔物の群れを討伐したとだけ伝えておいてくれ、詳細は後で俺自身で行う」
「りょーかい。それじゃー、頑張ってね」
流石に俺を交渉の場に出すようなことはしないだろうが、このままここに留まっていると、商会の人間たちに捕まりかねないし、アレクたちに任せてさっさと退散だ。
俺はアレクの返事を待たずに一方的に話を終わらせて、一気にその場から飛び立った。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




