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部屋での作業をしていたのは30分くらいだっただろうか?
ちょっと時間がかかってしまったが、魔物討伐の状況や、狩場の様子を始めとした領都周辺の最新事情に加えて、騎士団の討伐に連れて行く冒険者たちの情報の写しもゲットしたし、相応の成果はあったかな?
俺たちの用件は終わり、そろそろルイたちの登録も完了している頃だ。
ってことで、用事も済ませたし後は帰るだけとなった俺たちは、通路を抜けてホールに出た。
そして、ルイたちや同行している兵たちを探そうとホールを見渡したんだが。
「あの人だかりは?」
窓口の奥にある、地下のダンジョンに繋がる階段の手前に何やら人だかりが出来ている。
「なんだろうな? 暴力沙汰の気配は感じないが……ん? ウチの連中もいるな」
「職員が放置している当たり、冒険者同士で何かあったようだな。今は何も起きていなくても、互いに熱くなったらどうなるかわからねぇし……行こう。一日に二度も揉め事が起きたら、流石に誤魔化せねぇ」
そう言うと、二人は揃ってズカズカ近付いていき、その人だかりを割って中に入っていった。
「……オレは上にいようかね」
どうしたもんかと思ったが、あの中に俺が突っ込んでも仕方がないし、ここは上から観察することにしよう。
【浮き玉】を天井近くまで上昇させると、人だかりの方へと進むことにした。
◇
「これはアレクシオ隊長殿。そちらの用事は終わりましたか?」
「……アンタたちだったか。俺たちの用件は終わったが、これはどういうことだ?」
人だかりの上に近づいた俺は下の様子に耳を傾けると、アレクとルイたちの声が聞こえてきた。
上から見た限りだが、カーンが危惧していたようにここから揉め事に発展するような雰囲気は感じられない。
どうやら、あれだけ集まっていながらただ話をしていただけらしい。
……普通の冒険者とは雰囲気が違うルイたちが珍しくて、彼女たちを見るために集まっていたただの野次馬かな?
「オラっ! お前ら、階段塞いでないでとっとと散らんか!!」
集まっていた連中を追い払うように、カーンが怒鳴りながら腕をブンブンと振り回している。
その腕が何人かの顔に直撃しているが、むしろカーンが原因で殴り合いに発展しそうで不安になって来るな。
「登録は終わったみたいだね? それならもう出ない?」
何があったのかは気になるが、別に揉め事ってわけじゃないんだし、中のことはカーンに丸投げして、俺たちはさっさと退散してしまう方がいいだろう。
そう促すと、アレクもそう考えていたらしい。
兵たちに声をかけて、自分のもとに集めていた。
そして。
「セラ、コレを頼めるか?」
冒険者の資料の写しが綴じられたファイルを渡してきた。
写しだとはいえ、冒険者の情報が入っているし、俺に渡していいんだろうか?
「オレが持つの?」
別にどこかに落とすようなことはないが、俺が持つよりも部下の誰か……はどうだろうな。
ともあれ、アレクが自分で持っていた方が安全だろうに。
「ああ。下から本部の隊の部屋に持って行ってくれ。話は出てくるときにしているから、それを渡すだけで伝わるだろう」
なるほど……俺とはここで別行動ってことなのか。
一通り街は見て回ったと思ったんだが……まだ見る所なんてあったっけ?
「構わないけど……皆はまた別のところにでも行くの? もう街の見回りは終わったんじゃない?」
「ああ。この際だから外の訓練場も見ておきたい。明日からのことの話も通しておきたいしな」
「なるほどねー」
考えてみれば、冒険者を討伐に連れて行くとはいえ、何の準備もせずに行くわけじゃない。
ましてや、ウチの騎士団とは馴染みのない他所の冒険者たちも連れて行くんだし、ちょっとした訓練くらいはしてからにするだろう。
冒険者ギルドでの乱闘の処罰とは言え、別に処刑じゃないんだしな。
納得して頷いていると、さらに思いついたことがあるらしく、アレクは言葉を続けた。
「そうだ……ついでに、本部でこのことも伝えておいてくれないか? この時間ならオーギュストがいるはずだ」
「団長ね。了解」
俺はファイルを受け取ると、そのまま階段に向かった。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




