1225
会議室に移動した俺たちは、一先ずリアーナと他所の冒険者たちから事の経緯を聞くことになった。
テレサは俺たちが東部を離れている間、アレクたちと同じく冒険者ギルドのことも見ていただけに、ダンジョン内部の狩場の独占事情なんかも承知していたらしい。
そして、もちろんそれぞれが不満を抱えていることもだ。
だが、実際に衝突が起きたことには驚いていた。
それぞれ不満は持っていても、どうせ一時的なことだし、ダンジョンの制限が解除されたら、そのうち解消されるだろうと考えていたようだ。
しかし実際に起きてしまった……ってことは、俺が地下に向かってからの、さほど長くない間に何かが起きたんだよな。
ってことで、現場から適当にテレサが指名して連れてきた連中が、話をするべく今目の前に立っているんだが……何故かこちらをチラチラ見てはすぐに目を逸らしている。
「……どうしたのですか? 早く説明しなさい」
「はっ……はい」
そう言いつつも、話を始めようとしない。
何が気になっているのか……。
「なんかオレに言うことでもあるの?」
チラチラ見ているし、俺に何か言いたいことでもあるんだろうが……この連中とは俺は話をしていないはずだ。
何かある……とは思えないんだが……。
首を傾げていると、テレサが再度男たちに話をするように促した。
それもかなり強い口調でだ。
男たちは「うっ……」と唸ったかと思うと、意を決したのか口を開き始めた。
◇
「我々がそちらのセラ……セラ殿に声をかけられて、話に応じていたのです。内容は他愛のないものでした」
「そうだね」
今の彼等の状況とかそんなことを簡単に訊ねていただけだ。
多少の不満を零してはいたが、たとえそれがウチ側の冒険者たちに聞こえていたとしても、あんな乱闘騒ぎに発展するような内容じゃなかった。
俺は頷くと、男は話を再開した。
「セラ殿は我々から一通り話を聞くと、今度はリアーナの冒険者たちにも話を聞きに行っていました。自分は聞こえなかったのですが……恐らく話している内容は大差なかったと思います」
「そうだね。同じようなことを聞いたよ」
「なるほど……それで、何故ああなったのですか?」
本当に。
俺やテレサたちもだし、一緒にダンジョン前のカフェスペースで話をしていたリーダーたちも、そこがわからず首を傾げている。
「はあ……その、セラ殿は一通り話を聞いて回ると、ダンジョンがある地下へ下りて行きました。ただ、その後……」
またもそこで話を区切ると、冒険者たちで視線を交わし、そして今度は、俺じゃなくてリーダーたちをチラチラと。
「なんだ? 俺たちに言いたいことでもあるのか!」
リーダーたちは、男たちの態度が気に入らないのか、怒鳴るような声でそう問いただすと、男たちは慌てて首を横に振った。
「そういう訳じゃない……。上でやり合ったのは、別にアンタたちが仲間に引き入れた連中じゃないしな。ただ、気を悪くしないでくれよ?」
「……? 何を言いたいのかはわからないが、早く先を続けろよ」
「ああ。セラ殿が地下に行った後、しばらくは何も無かったんだが……窓口で待っている連中が、リアーナの冒険者に絡まれたんだ。俺たちが、セラ殿に現状を訴えて特例を認めさせようとしているとか、そんなことを言われたらしい」
「なんじゃそりゃ?」
「……特例ってのはダンジョンでの狩りを優先させろとかそんなことか? それを副長に?」
「それを言い出したのはリアーナの冒険者だ。俺たちに言われても困るな」
全く心当たりのない話が出て、ついつい突っ込んでしまった。
「はあ……そう思いますが、実際向こうからそんな感じのことを言われたらしくて、掴み合いに発展したんです。俺たちは当初離れた所にいたんですが、とりあえず大事になる前に止めないと……と、あそこに加わっていたんですが、結局止めることは出来ずにああなってしまって……」
どうやらそれで終わりのようで、男たちは気まずそうに黙っていた。
まだ聞いたのは片方だけだけれど、何かこの感じだと切っ掛けはリアーナの冒険者だよな。
ホールにいたリアーナの冒険者の全員がそうだってわけじゃないだろうけれど、なまじ地元だけに焦りでもあったんだろうか……?
まぁ、ここで聞けることは聞いたし、後は戻ってアレクたちに任せるのがいいのかな?
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




