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部屋で適当にお喋りをしていたが、しばらくすると夕食の準備が出来たと使用人が呼びに来た。
久々の領主様のご帰還なんだが……急だったし、大々的に晩餐会を開いたりするのは、また後日になるんだとか。
今日は屋敷で身内だけでいつも通りに……だな。
そして、夕食後リアーナ領の主要メンバーが集まってのお茶会が開かれることになった。
これまでも頻繁に開かれていたものだが、久々のリーゼルに加えて、ミネアさんやルバンと言ったスペシャルゲストもいる。
ちなみに、護衛の冒険者組からはリーダーも参加しているが、彼女は俺がミネアさんの膝の上にいることに目を丸くしていた。
皆はこれから話す内容はある程度分かっているだろうし、何より慣れた相手だからリラックスしてはいるんだが……給仕する使用人たちは緊張の面持ちを隠せないでいた。
リーゼルとセリアーナといったお偉いさんはもちろん、アレクやジグハルトのような強面も揃っている。
リーゼルを除く男性陣は別の卓に着いているが……付き合いの長い俺ですら久しぶりにあの連中が揃っている姿を見ると、ちょっとビビるような迫力があるもんな……。
まぁ……いつも通りならすぐに下がらせるだろう。
「これだけ集まると……流石に壮観だね。ミネア殿も、わざわざ夜に申し訳ありません」
「いいえ、お気になさらないでください」
今はリーゼルが前に立って皆に向かって挨拶をしている。
これが終われば直に使用人たちを下がらせるだろうし、もうすぐだな。
頑張れ。
と、心の中で使用人たちを応援していると、リーゼルはサクサク挨拶を進めていった。
◇
リーゼルの挨拶が終わり、皆の前にお茶の用意が完了すると、使用人たちは部屋から出て行った。
それを待って、リーゼルはソファーに座ると、「ふう」と一つ息を吐いてセリアーナに視線を向けた。
「セリア、君たちはどれくらい話を進めたのかな?」
「王都からここに帰って来るまでを、簡潔に……よ。アレクたちは……オーギュストから説明されたのかしら?」
そして、今度はセリアーナが隣の卓にいるアレクたちに視線を向ける。
なんというか、強面のおっさんたちが卓を囲んでいるのに、そこに置かれているのがお茶とお茶菓子っていうのが、ちょっと面白い。
酒は、このお茶会が終わった後かな?
ともあれ、セリアーナの質問にアレクが顔を上げた。
「俺たちもしつこく襲撃を受けた……といった程度です。今後の動き方についてなどはまだですね」
どうやら、居残り組の情報は今のところ皆同じ程度なのかな?
「そうか……わかったよ。それじゃあ、始めようか」
リーゼルはそう言うと、オーギュストに指示を出して皆に向かって説明を始めさせた。
もともとセリアーナが狙われる可能性があったこと。
想定通り王都圏に到着した頃から怪しい連中が傍をうろついていたこと。
そして、王都からリアーナに向けて出発してから、行く先々で襲撃を受けたこと。
終いには海上どころか、マーセナル領に着いてからすらも襲撃があったこと。
それらは皆にもう伝わっているだろうが、その都度オーギュストが詳細を語っていくと、賊のしつこさというか執念深さというか……とにかく、ちょっと度を越した執着具合に流石に驚いているようだった。
居残り組は真剣な表情でオーギュストの話に集中しているようだ。
ただ。
「セラさん、貴女も参加したの?」
まだオーギュストの話は続いているが、ミネアさんは他の皆ほど興味は無いのか、オーギュストの話もそこそこに、俺の耳元に背後から口を寄せると小声でそう訊ねてきた。
彼女の場合は、騎士団とも冒険者とも直接関わることは無いし、領地の親父さんに伝えるくらいだもんな。
むしろこれが普通なのかもしれない。
加えて、セリアーナの部屋で話した時は、戦闘についてはあっさり流す程度にしか触れていなかったし、そっちの方が気になるのかな?
ミネアさんの声に「ふむ」っと頷くと、道中のことを振り返りながら俺も小声で返す。
「オレもちょこちょこ参戦しましたよ。あんまり人との戦闘の経験が無いんで、詳しい説明は出来ないですけど、今団長が話しているように、やたらしつこかったですね」
その言葉に、ミネアさんは「あらまぁ……」と、静かに驚いていた。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




