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夜である!
リーゼルから治療の要請は来ないまま何だかんだでこの時間になってしまったが、夕食も終わり船内は静かになっている。
一応、船員だったり使用人の目に触れないようにってことで、治療は後回しにしていたんだが、そろそろ俺も動いてもいい頃合いだ。
「それじゃー俺は【祈り】を試しに行って来るけど、セリア様はこのまま部屋にいるのかな? それとも旦那様の部屋に行く?」
この部屋でも問題無いとは思うが、俺が離れると彼女を守るのは【琥珀の盾】一枚になってしまう。
それならいっそリーゼルの部屋に行っておけば、そのまま彼とその護衛も加わるし、守りは厚くなるんだが……。
「私はこのまま部屋にいるわ。治療を試したら戻って来なさい」
まぁ、そう言うだろうな。
「うん、りょーかい。それじゃ、行って来まーす」
俺は小さく頷きながら答えると、セリアーナに手を振ってドアへと向かった。
◇
部屋を出て廊下をふよふよ進んで行くと、向かい合うそれぞれの部屋のドアの脇に立つ、ウチの兵と護衛の冒険者の姿が目に入った。
互いに剣は帯びていても鎧は外しているからか、廊下を挟んで互いに向き合っていても、圧迫感というか迫力は感じられないな。
両者とも船内の警備も仕事に含まれているんだが、発症して体調を崩している者たちがいるし、今はどうしてるのかな?
「副長か」
「セラ様? どうかされましたか?」
2人はほぼ同時に俺の接近に気付いたのか、こちらを見た。
ウチの兵の方がちょっと早いのは、俺の移動の仕方に慣れているからかな?
ともあれ、返事だ。
「お疲れ様ー。今はどんな感じ?」
「私共は、まだ3人とも部屋で臥せっています。悪化はしていませんが、動き回るのは難しいでしょう。そのため、船内の警備はリアーナの皆さんが引き受けてくださっています」
「ほぅほぅ」
まぁ、そもそも船内の警備はウチの兵の仕事でもあるし、妥当なところではあるな。
ちらりと向かいのウチの兵士に目をやると、肩を竦めて苦笑している。
「大したことじゃないさ……。ウチの方は、聞いているかもしれないが1人が昼間から臥せっているな。副長が来たのはそれ絡みか?」
「そうそう。別に感染ったりするような物じゃないし、ちょっと様子を見ておこうと思ってね……。お邪魔するよ?」
「ああ。話せないほどじゃないし、症状の説明くらいは出来るはずだ」
そう言うと彼は、小さくドアを開いて部屋の中を指さした。
「はいはい。それじゃー失礼して……」
2人に断ると、俺は中へと入ることにした。
◇
部屋に入った俺は、キョロキョロと室内のあちらこちらに目をやった。
部屋は2段ベッドがいくつも並んで置かれていて、俺たちやリーゼルの部屋に比べると大分窮屈な造りになっている。
部屋の片隅にはテーブルと椅子が2セットずつ置かれているが、調度品と言えるような物はなくて、何とも殺風景な感じだ。
んで、その殺風景な部屋のベッドに1人臥せっていた男が、俺の入室に気付いてモゾモゾと体を起こそうとしている。
顔色なんかはそこまで変わっていないが、動きがノロノロしているし、具合はいまいちっぽいな。
「無理しなくていいよ」
話を聞かせてもらえばいいだけだし、とりあえずそのまま横になっておいてもらおうと、体を起こす彼に向かってベッドを指しながらそう言った。
「ああ……悪いな」
「具合はどんな感じよ」
「どう言えばいいんだろうな……体全体に力が入らない感じだ。丁度魔力を使い果たした後のような……。原因は団長から聞いているが、魔力を吸収しているんだろう? それが原因かもしれないな」
「なるほど……要は怠いってことだね?」
この毒は、体内から魔力を吸収して発動するタイプの物らしい。
元々魔力の少ない彼には、毒の症状に加えて、魔力の欠乏もダメージになっているんだろうな。
症状はどちらも重くはないようだけれど、どうにも怠そうに見える。
「まあ、そうだな……。それで、副長は何か用か? 感染るような代物じゃ無いそうだが、奥様から離れるのはアンタらしくないな」
「セリア様は心配いらないよ……。それよりも、ちょっと試したいことがあって来たんだ。もしかしたら体調が良くなるかもよ」
それを聞いた兵士は、体を起こすと「本当か!?」と、こちらを見てきた。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




