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護衛の彼女たちを何故連れてきたのか……その理由がわからずに首を傾げていると、セリアーナが苦笑しながら説明を始めた。
「ゼルキスにいた頃から私は外部の護衛を雇う事は無かったわ。だから、今回のように護衛で外部の冒険者を雇うことは、賊は想定していなかったと思うの」
「まぁ、そりゃそうだろうね」
どうやら今回の一連の襲撃を企てていた連中は、セリアーナの加護を警戒するような動きを見せていたし、多少情報は古かった気もするが、それなりに彼女のことを調べてはいたっぽいんだよな。
まぁ……あれだけ人数を使った襲撃を企てているんだし、それは当たり前なのかな?
だからこそ、外部の護衛が加わるってことは、セリアーナが言うように想定外の事だと思う。
そもそも、護衛を手配したのは王都のマイルズで、セリアーナやリーゼルの考えじゃないし、俺たちだって想定外だった。
あまり活躍する場面は無かったけどな……。
「それが連れてきた理由なの?」
流石にそれだけってことは無いだろうと思い、セリアーナにどうなのかと訊ねると、彼女は小さく頷いた。
それに「そうなの?」と驚いて思わず、視線を天井からセリアーナに向けてしまったが……とりあえず、彼女の言葉を待とう。
「理由の一つではあるわね。こちらで時間をもっと使って、捕らえた賊の取り調べが出来たのなら必要は無かったけれど、それは無理だし……。賊の狙いが結局わからないままでしょう?」
「そうだね……」
「それなら、賊の想定の範囲外の要因を抱え込んだら、何か起きるかもしれないでしょう?」
「まだ何か起きるかな?」
「起きないなら起きないでいいのよ。その時は無事にリアーナまで辿り着くだけのことですもの。ただ、もし何か起きた時に戦力として……少なくとも足を引っ張らない程度の実力があったから連れてくることにしたのよ」
「ふーん……」
チラッと目だけを動かしてセリアーナの表情を見たが……何やら口の端を僅かに上げている。
笑っているわけじゃないんだろうけれど……これはまた何か悪だくみでもしてるんだろうか?
「団長に弓を貸したままなのは何か関係ある?」
セリアーナは頬に手を当てて、「弓?」と呟いたが、俺の言いたいことがわかったんだろう。
すぐに笑って答えた。
「アレは違うわ。あくまで船外の敵に備えてのものよ。矢の威力はお前が一番わかっているでしょう? 船内に向けて放つわけにはいかないもの」
「ぉぅ……」
そりゃーいくらこの船がルバンが特別に造らせた良い物だからって、アレに耐えられるようには造られていないよな。
「それよりも、手が止まっているわよ? 出港までに終わらな……あら?」
「どしたの?」
「外が片付いたようね。リーゼルたちも船に乗って来たわ。そろそろ出港ね」
「ぉぉ……それは急いで済まさないとね」
いくつか気になる点はまだあるが、とりあえず護衛の彼女たちを連れてきた理由は何となくわかったし、この場で聞くのはそれでいいかな?
リーゼルたちも船に乗り込んだみたいだし、急がないとな。
別に急いだところで、この作業にすっかり慣れた今は、調査の精度に影響はないし残りはもう少し。
お喋りは止めて、調査に専念するか。
◇
リーゼルたちが船に乗り込んでしばらくすると、リーゼルから部屋に来るように伝令が届いた。
といっても、通路を挟んで向かいの部屋だし、部屋の前の警備兵が呼びに来ただけなんだけどな。
まだ彼の部屋の荷物整理なんかは終わっていないんだろうけれど、先に俺たちとの話し合いの場を持つ事を優先させたんだろう。
急いで調査を終わらせておいて正解だった。
部屋の中に入ると、大量の荷物を相手に使用人たちが忙しそうに部屋の中を整理していた。
ソファーにかけているリーゼルのもとに向かうついでに、その様子を見ていたんだが……これって多分、俺たちよりも荷物が多いんじゃないか?
「やあ、わざわざ呼び立てて済まないね。そちらの部屋はもういいのかな?」
「ええ。荷物の整理も終わったし、部屋の確認もこの娘が済ませたわ。こちらはまだ終わっていないようだけれど……別に片付けてからでも構わないわよ?」
「君を待たせていると、彼等も緊張するだろう? 少し音がするかもしれないが、気にしないでくれ」
そう言うと、リーゼルは俺たちに向かいの席に座るように、手で促した。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




