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「セラ君。セリアは僕が守るから、オーギュストに、もう相手の出方を窺わなくていいから片付けてしまって構わないと、伝令を頼めないか?」
「うん? うん……了解です。いいかな? セリア様」
俺は一応セリアーナの護衛で一緒にいるわけだが、どこから攻撃が来るかわからない外と違って、ある程度予測の出来る屋敷内で守るなら、むしろ俺よりもリーゼルの方が向いているだろう。
襲撃を受けている最中とは言え、俺がセリアーナから離れるのは問題無いよな?
どうだろうと、セリアーナの顔を見ると彼女もそう考えているらしく、頷いている。
「ええ。ついでに、お前も手伝って来なさい。多少なら周りの建物も壊して構わないでしょう?」
「む?」
「……ほどほどにね」
少々過激なセリアーナの言葉にリーゼルは苦笑しているが、撤回させようとはしていない。
これは、周りに配慮して時間をかけるよりも、多少派手に暴れてでもさっさと終わらせてこいって事か。
「まぁ、いいか。それじゃー行って来るよ」
二人に向かってそう言うと、俺は1階の玄関ホールに向かってゆっくり降りていった。
下では、ウチの兵たちが壊された穴から中を遮るように布陣している。
「副長? あんたが出るのか?」
「うん。少し壊してもいいから、一気に片付けろって言われてね」
下で待機していたウチの兵たちは、下りてきた俺に気付くとすぐに俺が何をしに来たのかを察したようだ。
「賊共は奥様の命を狙っているはずだが、その割に大剣や槍ばかりで、扱いやすい短剣を持った奴はいなかった。何か隠しているかもしれないし、気を付けてくれ」
「団長の指揮なら間違いは無いと思うが、弓と魔法を逃がすと、街を離れるまで安心出来ないし、狙うならそいつらからの方が良いかも知れないぞ」
彼等も外で一戦やっているから、アレコレとそれで知った相手の情報を伝えてきた。
相手の動きに多少の違和感を感じている様だが……どうせ倒すって結果に変わりは無いんだ。
面倒な判断はオーギュストに任せてしまおう!
「了解了解。上にはセリア様だけじゃなくて旦那様も一緒だから、そっちもお願いねー」
そう伝えると、玄関ホールを軽く見渡してみた。
その際にチラッと目に入った代官は、使用人たちの手前何とか平静を装ってはいるが、顔に汗を浮かばせて蒼い顔をしていた。
俺たちの会話が聞こえていたのかもしれないな。
すまん!
と、心の中で一つ詫びを入れると、外に向かって【浮き玉】を進めた。
◇
さて。
外ではオーギュストたちが真面目に戦闘を繰り広げていた。
オーギュストを除くこちら側の兵たちの実力は、一人一人は賊より劣るが、その分数はこちらが上だ。
馬車の残骸を境に、屋敷を守る兵たちと、賊たちを敷地の外に逃がさないように、背後に回り込む兵たちとに分かれるだけの余裕もある。
そして、その二つに分かれた兵を、オーギュストが大きな声で指揮をしていた。
「来るぞ! 屋敷に近づけるな!」
「はいっ!」
飛んできたオーギュストの指示に返事をすると、屋敷側に控えていた兵たちがすぐさま屋敷の壁に沿って広がっていく。
俺から見たら、ただ壁の前で槍を構えているようにしか見えないが、それなりに効果はあるようで、屋敷に取り付こうとしていた賊たちはすぐに距離を取っていった。
見ると壁の側には何体か死体らしきものが転がっているし、相手をしっかりと減らしていっている。
「団長」
「セラ副長か。閣下から指示でも受けてきたか?」
「うん。もう相手の出方を窺ったりしなくていいから、片付けて来てだって」
「む……そうか。セラ副長はどうするつもりだ? 君の事だし、指示を届けに来ただけという訳では無いだろう?」
「オレも手伝えって。団長の指示に従うから、どう動いたらいいかな?」
「ありがたい。奥に後二人魔法を使う者が残っている。頼めるか?」
そう言うと、敷地の隅を指した。
確か三人いたはずだが……一人は倒したのか。
どうやったかはわからないが、やるじゃないか!
ともあれ、オーギュストの指す先を追うと、少し賊の一団から離れた位置にいる二人に気付いた。
「一人減らしたことで、屋敷を攻撃する隙を作る事が出来なくなっている。このまま賊を一人ずつ削って行くことも可能だが、どうしても警戒せざるを得ないからな……。先に向こうを潰してしまえば、こちらも一気に攻めることが出来るんだ」
「なるほど……りょーかい! それじゃ、一気に行くよ!」
「頼む」
オーギュストの声を背に、俺は奥目掛けて突っ込んで行った!
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




