表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
24章・王都出発。いざリアーナへ!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1029/2077

1024

「捕らえた者たちから数名を選び、偵察代わりに先行させたことは君も知っているな? その一人が戻って来たこともだ」


「うん」


 俺の返事に、オーギュストは「うむ」と一つ頷くと話を続けた。


 馬の速度は変わらないが、どうやらこのままのペースで行くらしいな。


「ここから2キロほど先に行ったところにある森の切れ間に、賊が20人ほど潜伏していたが、彼らが発見したそうだ」


 2キロか。

 近いんだかどうなんだか微妙なラインだな。

 前の方に薄っすら見えている森らしき影があるが……そこかな?


「何人で行ったかは知らないけど、戻って来た一人以外は説得をしているのかな?」


「説得と言えるかはわからないが……まあ、そうだな。ともかく、その報告を受けてこちらも一人送り出したのだが……」


 と、そこで次の言葉を迷うように、言い淀んでいた。


「なにさ」


「ああ。連中はどうやら投降派と続行派で半数ほどに別れていたらしい」


「……うん。まぁ、妥当じゃない?」


 どんな風に話をしたのかはわからないが、今まさに襲撃を仕掛けようとしている者たちに、失敗するからやめろ的な話をしたんだ。

 それがよほど成功率が高かったり、襲撃へのモチベーションが高かったりでもしない限り、人数の比率はともかく、揉めるのは当然だ。


「そうだな。それだけならばこちらも想定していた通りなのだが、こちらの送り出した兵が到着した時には、既に投降派が続行派を全滅させていたそうだ」


「……んんん??」


 並走しながら首を傾げるという、少々器用な真似をしたが、オーギュストはそれに介さず話を続ける。


「多少の傷は負っていたが、投降派に犠牲は出ていないらしい。全く無いとは言えないそうだが……少々出来過ぎている気がするんだ」


「だよね」


「ああ。何より、連中はまだこちらに何もしていない。殺人こそ犯したが、それも目的地へ向かう途中にたまたま一緒になった者たちが、貴族への襲撃を企てており、それを止めようとした……。そうとでも言われてしまえば、こちらは何もできないからな」


「ちょっと無理が有りすぎない……? 捕まえたりは出来ないの?」


「難しいな。だが、たとえ捕らえて街の兵に突き出したとしても、現状ではそうとしか処理出来ないだろうな。代表者が尋問を受けるために一晩詰め所に入れられる程度だ。後は……街まで同行を命じるくらいだが……それはこちらが言い出すまでも無いだろう」


「……見なかったことにして、ヤっちゃえば?」


 我ながら駄目な方法だとは思うけれど、どう考えてもその連中は怪しすぎるだろう。

 その割に全く拘束でき無さそうだし……。

 俺たちは街に着いたらすぐに船に乗るだろうけれど、それでも街中まで怪しい連中について来られるのも鬱陶しい。


「それが確実なのはわかるが、そうもいかんさ。さて、連中が何かを企んでいるにせよそうでないにせよ、油断はできない事態なのは確かだ。そこでだ、セラ殿」


 内容や口ぶりに比べて、ちょっと表情が晴れ晴れしている。

 ついさっきまでは困惑の色の方が強かったんだけどな……。

 相手がしっかりと何かを企んで来たことで安心したのかな?


「うん?」


「あちらの森を、上から軽くでいいから見てもらえないだろうか? あまり君に頼るのも心苦しいのだが、時間を考えるとあまり悠長な真似はしたくないんだ」


 オーギュストはそう言いながら一旦上を見ると、すぐに視線を前に戻して前方に見える森を指した。

 俺に頼るってのは、恩恵品と加護に頼るって事だし、リアーナの騎士団団長って立場からしたら、悩ましいんだろう。

 特に、俺の身分も考えると、偵察役は命じにくいだろう。


 ただ、道中での戦闘を前提にしているが、時間も結構ギリギリなんだよな。

 オーギュストが言うように、ここで余計な時間を使っていると、到着前に夜になってしまうかもしれない。


 それを抜きにしたって、俺が引き受ける事自体は何の問題も無い。


「別に頼られるのは全然構わないんだけど……何を見たらいいのかな? 他の増援が潜んでいないかとか?」


「ああ。奥まで調べる事は無い。あくまで森の浅瀬を見てくれるだけでいいんだ。恐らくは何もいないだろうがな」


「ほぅ……。そういえば、セリア様は特に何かを警戒しているような事は無かったね」


 大分あっさり送り出されたもんな。

 森まで見ていたのかはわからないが、セリアーナ的には今はまだ警戒するような状況じゃないんだろう。


「わかった。それじゃ、すぐ見て来るよ。団長に報告に来たらいいのかな?」


「頼む」


「ほいほい。それじゃー、行ってきまーす」


 俺はそう言うと、一行から離れて森を目指して飛んで行った。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] >「あちらの森を、上から軽くでいいから見てもらえないだろうか? あまり君に頼るのも心苦しいのだが、時間を考えるとあまり悠長な真似はしたくないんだ」  これは……実は投降派の方がやられていて…
[良い点] 更新乙い [一言] だって、セラちんが便利すぎてついつい使っちゃうんだ……
[一言] セラファンネル便利だなあ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ