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「セリア。いいかい?」
オーギュストとの話が終わったらしく、リーゼルがこちらにやって来た。
今度はセリアーナに話があるみたいだな。
それじゃあ……。
「いいわよ」
「中で話そう。セラ君、君も来てくれ」
話をするのに邪魔になるかもしれないし、離れておこうかどうしようかと迷ったんだが、どうやら俺も一緒らしい。
リーゼルは馬車を指してそう言うと、セリアーナと共にそちらへ向かって行った。
「ほ? あ、はいはい」
内密って程じゃ無いだろうけれど、何か加護絡みの話でもするのかな?
まぁ……いいか、と返事をして、俺も彼等の後を追って馬車へと向かった。
◇
馬車に三人で乗り込み、ドアを閉めると、リーゼルはすぐに話を始めた。
「まずは情報を整理しよう。最初に襲って来た連中は僕たちの足止めで、王都から僕たちを追って来ていた者たちが主力だった。そして、遅れて西から来た者たちがその援護……。これでいいね?」
「ええ。問題無いわ。セラもそうよね?」
「う? うん。大丈夫」
リーゼルは情報の整理と言っているが、認識の擦り合わせに近いかな?
ともあれ、俺もしっかり理解出来ていると答えた。
「続けようか。主力の本命の攻撃手段は毒物だった様だ。毒性はどれほどかは、ここでは調べる手段が無いからわからないが、即死をするような類じゃ無い可能性が高いらしいね」
「そうらしいわね。挟撃する事でこちらの戦力を東西に分けた上で、私たち側の動きを止めたかったのでしょうね。その後は先に貴方たちを潰すつもりだったんじゃないかしら?」
「そうだね。もし上手くいかなかったとしても、足止めは出来るわけだしね」
「ええ。それで? その口ぶりだと増援はあるものと見ていいのかしら?」
セリアーナの言葉に、リーゼルは苦笑している。
オーギュストと似たような反応だな。
「あるはずだと思いたいね。まあ、どのみち残りの道程はその事を想定して動くことに決めたんだが……セリア。君たち側で捕らえた、賊の中で攻撃を仕掛けてこなかった者たちがいただろう?」
「ええ。武器を取り上げて縛ってはいるけれど無傷ね。使うの?」
「ああ。彼等を先行させたいんだ。何人か使わせてもらっていいかな?」
「わかったわ。好きに使ってちょうだい」
「ありがとう。このまま出発させるから、君たちは中にいてくれ」
そう言うと、リーゼルはさっさと馬車から出て行ってしまった。
そして、セリアーナもそれでいいのか剣を置くと、前を向いて目を閉じている。
なんというか……二人の話が早すぎて口を挟む暇がなかったな。
セリアーナも、何やら周囲の索敵を行っているみたいだし、邪魔は駄目だろう。
まぁ、出発したらまた暇になるだろうし、その間に聞けばいいか。
◇
リーゼルが出て行って、俺たちはそのまま中で待っていると、程なくして馬車は移動を再開した。
この馬車もそうだが、他の馬車も戦場の真っただ中に放り込まれる形になっていたが、それでも兵だけで相手を抑えることが出来ていたからな。
馬車も馬も御者も皆被害は無く、移動に支障をきたすような事は無かった。
良かった良かった……って事で!
「セリア様」
「先程のリーゼルとの話ね? 捕らえた兵を自由にさせたことかしら?」
「そうそう。良かったのかなって」
リーゼルは、もし賊がいたら報告をするようにと、捕らえた中から何人かを解放して先行させたんだ。
流石に武器は無いが、馬も与えている。
その事が気になっていたんだが、皆まで言わずとも伝わっていたようだ。
やる気無い組への処分は大分甘い気がしたんだが、さらにその中から数人とはいえ、自由にさせるってのはどうなんだろうって気がするんだよな。
ウチの兵たちと護衛の冒険者たちは戦闘前と編成が変わらないが、王都圏の兵は生け捕りにして馬車に押し込んだ連中の監視を行うために、何人か馬車に乗り込んでいたりする。
武器は取り上げたし、そもそもまともに動けないくらい痛めつけているが、それでも何があるかわからないし、何人も一緒にいる状況で目を離すわけにはいかないもんな。
ってことで、現在俺たち一行の護衛の兵は、あまり余力が無い状況だ。
その事を考えると、どうなんよって気がする。
「うむ」と、改めて頭の中で問題点を思い浮かべた俺は、セリアーナを見て返答を待った。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




