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「……いやー、一気に片付いたね。もう少し手こずるかと思ったけど、オレの気にしすぎだったかな?」
戦闘も終わり、兵たちに後処理を任せて俺とオーギュストはリーゼルのもとへと向かっていたんだが、そのついでに、ちょっと気になった事をオーギュストに訊ねることにした。
兵たちが上手く戦ったことや、俺の不意打ちというか想定外の動きとか……色々要因はあったのかもしれないが、思ったよりもあっさりだったんだよな。
チラっと後ろを振り返ると、ウチの兵たちは賊に止めを刺しまくっている。
最初に襲って来た連中や俺たちが相手をしていた連中と違って、こちら側は捕縛する気は無いんだろう。
んで、目の前でどんどん仲間が殺されて行っているのに、何も起きていない。
もし、ここからひっくり返せるような何かを隠し持っているのなら、いつ殺されるかわからないしとっくに使っていてもおかしくないんだ。
温存どころじゃないもんな。
ってことは、こっちの連中はこれ以上の何かを隠しているって事は無いはずだ。
「そうだな……我々もその事を最大限に警戒はしていたが、腕は立ちこそしても、奥の手を隠している素振りは見せなかった。流石に捨て駒にするには勿体ない相手だと思うが、そういう意味では連中の考えは分からないな……。まだ何か策を用意している相手の方が、戦うにはありがたいな」
「どーゆーことよ?」
これで終わりの方が良い気もするが、違うのかな?
戦い足りないなんてことは無いと思うんだが……と、首を傾げているとオーギュストは苦笑を浮かべて答えた。
「狂人の考えは読めないという事だ」
「……あぁ」
そりゃー、何考えているのかわからない相手ってのは怖いよな。
まぁ……俺からしたらどう考えても無理だってのに、ここまでやって来る相手ってのは十分異常だと思うんだが、セリアーナたちにとっては許容出来る相手らしいし、実際しっかり相手の動きを読めている。
「まあ、それも船に乗ってしまえば関係の無い話か。行こう」
「ほいほい」
駆け出すオーギュストを追って、俺も速度を上げた。
◇
リーゼルのもとに合流すると、セリアーナも護衛の隊長やリーダーを引き連れてやって来ていた。
向こうの状況はどうなのかと見てみれば、捕縛して連れて行く者の選別が終わったらしく、荷物の様に馬に縛り付けたり、馬車に積み込んだりをしている最中だ。
やる気無い組まで詰め込むスペースは無い様で、武器を取り上げて腰に縄を打ってこそいるが、手は自由になっていて、自分で馬の手綱を握っていた。
待遇の差が凄いな……と、驚く俺を他所に、オーギュストはリーゼルに戦闘終了の報告を始めた。
「こちらの戦闘は完了しました。すぐに移動を再開出来ますが、どうされますか?」
実にシンプル。
「そうだね。その前に……何か発見はあったかな? 見たところ、攻めに転じたら一気に崩し切った様だったが……」
「はい。警戒はしておりましたが、何事も無く倒し切りました。どうやら彼等はただの戦闘要員の様ですね」
「なるほど……それは悩ましいな……。あちらの東側は毒物を所持していた様だよ。もっとも、使用した形跡はなかったようだけれどね……。さて、どうするか」
と、二人して考え込んでいるが、俺はその二人から離れてセリアーナのもとに向かった。
「ねね、セリア様」
「何?」
「あっちの捕らえた人たちに何を隠しているのかとかは聞かないの? 襲って来た人たちはともかく、手を出してこなかった人たちもいるでしょう?」
折角生かして捕らえているんだし、何か吐かせるってのは駄目なんだろうか?
やる気無い組だって、こっちに協力しておいた方が印象も良くなるだろうし、話の持って行き方次第じゃ聞き出せそうな気もするんだけれど……。
俺の疑問にセリアーナは肩を竦めてから答えた。
「その情報が正しいかどうかわからないでしょう? もっと時間があるのなら尋問でもするけれど、今は無理ね」
「……それは確かに」
「あの手を出してこなかった連中だってそうよ。それに、たとえ不本意ではあっても依頼を受けたことには違いないし、捕らえられたからと言って、簡単に口を割るような者は今後信用されなくなるわ。今回の件は何かしら労働で償うことになるでしょうし、今ここで信用を下げるような事はしないでしょうね」
「なるほどー……」
わかるようなわからんような……だが、あの連中から聞き出そうとしないことは理解出来たし、俺はセリアーナに「了解」と頷いた。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




