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「向こうは片付いたか……セラ君も戦闘に参加していただろう? 何か妙な動きはあったかい?」
「妙……。いや、何もなかったよ。でも、あっちの隊長たちが、もしかしたら毒物とかを持っているかもって警戒してたね。あ、セリア様にもその事は伝えているし、投降した連中もしっかり警戒しているからね」
そう言うと、リーゼルは「そうか」と笑った。
「毒物か……。オーギュストもそれを警戒していてね。ウチの兵はもちろん、付き合ってくれているこちらの兵たちにも犠牲を出したくないし、慎重になる必要があったんだ。ここで時間をかけたくなかったけれど、どうしてもね……。君の加護があれば、一気に押し切れそうだ」
そう言うと、リーゼルは「ほら」と前を指した。
【祈り】を発動してまだ間もないのに、ウチの兵たちはもう大分相手を切り崩している。
こちら側は結構やる気が有るっぽいようで、俺が戦っていた側と違って戦闘には皆参加していた。
腕も良く数も多いし、その上相手が何をしてくるか、リーゼルを守りながら警戒しなければいけない……時間がかかっていたのはそれが理由なんだが、【祈り】の強化分でしっかりと覆せている。
オーギュストは中に入っているものの、指揮がメインであまり戦闘には参加していないのにだ。
「オレはどうしよう? セリア様からは援護をして来いって言われたんだけど、ここに残っていた方が良いかな? それともあっちの団長たちの援護に回る?」
向こうからこちらに来た時は、俺も参戦して一気に片を付けようとか考えていたんだが……この分だと俺は何もしない方が良いんじゃないかって気がしてきた。
「そうだな……オーギュストたちだけでも倒す事は可能だろうけれど……あの動きは少々気になるね。僕の事は気にしないでいいから、行ってくれるかい?」
俺とは違って、リーゼルはあの押し方が気になるようで、援護に向かって欲しいらしい。
それなら。
「了解! それじゃー、旦那様も一応気を付けて!」
「ああ、君も」
リーゼルに限って心配はいらないと思うが、セリアーナと違って、彼は【琥珀の盾】を持っていないもんな。
いくら腕が立つからって、避ける場所も無いほど弓を撃ち込まれたりすると危ないかもしれないし、一応気を付けるように言うと、俺は戦闘が繰り広げられている前線へと突っ込んで行った。
◇
「ふむむ……。やっぱり向こうと大分違うね」
前線に辿り着いた俺は、すぐには参加せずに、上から少し観察をすることにした。
俺がこちら側に着いた当初よりもさらに押し込んではいるが、何だかんだで持ちこたえていたりする……と、言うよりは、賊連中が下がって防御に専念しているように見える。
まぁ、個々の戦闘だと普通にやられそうになっているし、ただ単に、互いをフォローし合っていたらこんな風になったって思えなくも無いが、見た目よりは余裕がありそうだ。
俺の事に気付いているだろうが、矢を射かけてきたりもしないし……なんなんだろうな。
時間稼ぎか、突破の隙を探っているかはわからないが、俺も参加した方が良いだろう。
「団長!」
「セラ殿か!」
オーギュストは、指揮を執りながらも俺の声にすぐに反応した。
「オレも参加するから、何か指示はある?」
「む……そうか。わかった。それなら、私と共に出てくれ。君が相手を妨害して、私が止め。どうだ?」
「了解! それで行こう」
「ああ。聞いたな? 私も出る。さっさと片付けるぞ!」
オーギュストは周りの兵たちにも聞こえるように大きな声でそう言うと、槍を構え直して馬を走らせた。
進路はど真ん中では無くて大きく横に逸れているあたり、狙いは横から崩す事かな?
それなら俺は、まともに一対一をするんじゃなくて、一気に蹴りで突っ切るか!
◇
さて。
俺たちは妨害を受けることなく無事目的の場所へと辿り着くことが出来た。
途中賊の何人かが横を抜ける俺たちに視線を向けていたが、なんも手を出してこなかったからな……。
いくら防御に専念しているからって、横っ腹を突くために移動している俺たちを無視するってのはちょっと変な気もするが、もしかしたら遠距離攻撃用の手段を用意していないのかもしれないな。
それなら遠慮なく突撃出来るってもんだ!
「それじゃー……団長。お先に行くね。せー……のっ!」
そう言うと、俺は突撃体勢を取って敵の一団目掛けて突っ込んで行った。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




