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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
24章・王都出発。いざリアーナへ!

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「下がるわよ!」


「ほい来た!」


 思わぬ速攻で一人を仕留めたセリアーナは、そこで二人目も……等と欲を出さずに、すぐに護衛たちの元へと下がっていった。

 もちろん、背後にも注意を払っていて、隙を見せるような真似はしないんだが、それでも交代と合流っていう、ウチの兵たちの隊列を崩すような行動にもかかわらず、賊連中は何もしかけようとしてこない。


 ……手を出しあぐねているって感じかな?


 結局、俺たちが合流を果たすまで、先程の陣形の乱れを整える程度だった。

 後方のやる気無い組も同様だ。


「動かないね……」


「動けないのでしょう。貴方たち」


 向こうの様子を見て思わず呟いた言葉をセリアーナが拾い、俺に一言訂正すると、兵たちの隊長と冒険者のリーダーを呼び寄せて、どう動くか……等の簡単な指示を出していた。


 その間俺は賊たちの観察を続けているが、連中も動く様子は無いな。


 相変わらず向こうは、やる気のある組と無い組で温度差があって、遠目からでも分かれているのがわかるし、向こうもそう簡単には動けないんだろうな。

 やる気無い組も、積極的に攻撃をする気は無くても裏切る気は無いようだし、明らかにこちらが不利な状況になったらどうなるかわからないし……俺から見たら変な関係なんだが、一人殺されても雰囲気に変わりは無いし、彼等からしたらこれで正常なのかもしれないな。


 チラっとセリアーナとの話で触れはしたが、中々理解しがたいな。


「セラ」


「うん? どうかした?」


 セリアーナの声に下に顔を向けると、他の二人も俺を見ていた。

 話は終わったみたいだな。

 向こうが気になって聞き逃してしまっていた。


「……話は聞いていなかったのね。いいわ」


 セリアーナは呆れたように一つ溜息を吐くと、二人を仲間の下に戻らせて、俺を自分の口元に来るように指でチョイチョイと示した。


「これから一気に賊を殲滅させるわ。もちろん私も参加するから、お前もあまりボーっとしていては駄目よ」


「……ぬ、了解。オレたちから仕掛けるんだね?」


「ええ。後ろの連中の考えが変わらないうちに、さっさと片付けるわ。先陣は王都の兵で、彼等に中に切り込んでもらって向こうの隊列を崩させるわ。さあ、行くわよ」


 セリアーナはそう言うと、隊に合流するために移動を開始した。


 なるほど……まずは向こうの陣形を崩して、俺たちはそのおこぼれを倒していくんだな。

 さっきの様に上手くいくかはわからないが、相手が一人なら俺とセリアーナが危険な目にあうような事はまず無いだろう。


 ……よし。

 やりますかー!


 俺は気合いを入れて腕をグルグル回すと、セリアーナの後を追った。


 ◇


 さて。

 こちらの陣形が整うとすぐに、先陣を務める王都の兵が突撃していった。


 向こうはどうやら俺たちが時間稼ぎとまではいかなくても、そこまで積極的に終わらせに来るとは思っていなかったのか、露骨に対応がバラついていた。

 距離もあるし、弓を構える余裕くらいはあっただろうに、矢を撃って来なかったもんな。


 その時点で、こちらが一つ優位を取っていた。


 もちろん、相手も腕は立つんだし、多少の混乱程度で総崩れ……とはならずに、それなりに踏ん張っていた。

 ゴチャゴチャした乱戦になりながらも、俺たちと位置を入れ替えて挟み込もうとしたりと、色々状況を打開しようとしている。


 やる気無い組とはいえ、そこまで有利な状況になったら仕掛けてくるかもしれないし、俺たちもそこまで追い込まれると、どうなるかわからない。

 リーゼルたちも今は戦闘の真っ最中だし、援護は難しそうだもんな。


 だから、その事態を避けるためにも、こちらが纏められない様に適度に距離を取りながら、相手の牽制を行っている。


 んで……。


「…………たっ!!」


 この乱戦で、仲間から離れてしまって孤立する者も出てくる。

 俺はその孤立している者を見つけ、セリアーナの下から離れてこっそり回り込むと、相手が気付く前に蹴りを放ったのだが……。


「っ!? ちぃっ……!」


「……ぉわっ!?」


 賊はどうやって気付いたのかはわからないが、蹴りを盾で足の側面を殴る事で回避した。

 カウンターで攻撃を受けるような事は無かったが、まさか盾で受けとめるんじゃなくて、殴って逸らしてくるとは思わなかったな。

 相変わらず不意打ちが下手だな……俺。


 不意打ちにもかかわらず、しとめ損なったことに少々気落ちしていると、背後のセリアーナから声が飛んできた。


「セラ、戻りなさい!」


「……りょーかい」

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] スッと回り込むセラちんを何時までも気にさせてやる!!
[一言] セラちゃん対人で不意打ちするなら声だしたらあかんべ
[一言] 「スキありぃ!てえーい!」 「声を出したら不意打ちにならないでしょうが」
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