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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
24章・王都出発。いざリアーナへ!

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「セリア?」


 西からこちらに来ている集団が何者かを知りたいんだろう。

 西を向いたままリーゼルはセリアーナの名を呼んだ。


「増援よ。後ろも街道から来ているわね。数は……40弱かしら? そのうちどれだけ本気なのかはわからないけれど、気を抜けないわね」


「そうか……わかった。なら、さっさと片付けてしまおうか。セラ君、セリアを頼むよ」


「はーい。旦那様も気を付け……行っちゃったね」


 俺の言葉を最後まで聞かずに、リーゼルは馬を走らせていた。

 オーギュストたちと合流するためなんだろうが、俺の話を途中で切るなんて、彼からしたら珍しいよな。


 ……それだけ油断ならない事態なのかもしれないな。


「気にする事は無いわ。それよりも、お前の準備はいいの?」


「オレ? まぁ……大丈夫じゃない?」


 やる事なんて、セリアーナの背中に張り付いて、何かあったら【緋蜂の針】で蹴りを入れる……それくらいだ。


 大したこと無いと、俺は気楽にセリアーナに答えた。


「結構」


 セリアーナは短く答えると、護衛の冒険者たちを呼び寄せた。


 彼女たちは、先程までオーギュストたちとどう戦うかの協議をしていたが、話が終わったのか今はもうこちらに戻って来ていた。

 今度はもう無理にセリアーナが戦う必要もないし、彼女たちと連携を取っていく事になるんだろうな、


「奥様、お呼びでしょうか?」


 こちらにやって来ると、他の三人は一歩下がっていて、リーダーだけこちらにやって来た。


「私たちは状況を見て戦闘に加わるから、貴女たちは適当に動きなさい。それと、場合によっては私が指示を出すけれど……いいわね?」


「お任せください」


「結構。行って頂戴」


「はっ」


 短いやり取りだったがそれだけで十分なのか、冒険者たちは一礼すると、元にいた場所へ戻っていった。

 その途中で、仲間たちに今のセリアーナとのやり取りを説明している様だ。


 しかし……。


 セリアーナが指示を出すかもって言葉にも、随分と急にもかかわらず反対しなかったが、お貴族様の護衛が専門って話だしこういうのに慣れているのかな?

 聞いてみるか。


 大したことじゃないのに、変な事が気にかかってミスをしても嫌だしな。


「セリア様」


「なに?」


 振り向くセリアーナに、俺は冒険者たちを指して口を開いた。


「あっちの人たちさ、あんな説明で納得してくれたのかな?」


「さあ? 納得していようとしていまいと、命令を受けた以上はそれに従うものでしょう? そんな事よりも、そろそろよ。私は最初は加護を使って索敵を行っておくから、あまり動く事は出来ないわ。その間はお前に任せるわよ」


「む……りょーかい!」


 俺は普段からアレコレ口を挟んでいるからウッカリしていたが、よくよく考えると、あんまり依頼主の注文に、反対したり意見を出したりはしないもんな。

 ましてや、相手は公爵夫人だ。


 命令は絶対で、たとえ何か無理なことがあっても、どうにかして対応するってのが、依頼主と護衛のあるべき姿か。

 そして、そんな立場でもしっかりと結果を出し続けているのが彼女たちだし……俺が気にかけるような事じゃないのかもな。


 彼女たちの事はもうこれでよしとして、近付いて来る賊たちとの戦闘に頭を切り替えるか!


 俺は【風の衣】を新たに張り直すと、【祈り】を全体に向けて発動した。


 ◇


「セラ」


「うん、大丈夫。ちゃんと範囲に入ってるよ」


 準備を終えて数分ほど経った頃、セリアーナが唐突に俺の名を呟いた。


 彼女は今広範囲の索敵を行っていて、【琥珀の盾】こそ発動しているが、大分無防備な状況にある。

 だから、しっかりと彼女のすぐ後ろに滞空して、【風の衣】が全身をカバーできるようにしている。


 守りはばっちりだ!


 その事を伝えると、セリアーナは右に向かって指を差した。


 あっちは……東か。

 って事は、ようやく昨日から俺たちの後をついて来ていた連中が仕掛けてくるのかな?


 存在自体には王都にいた時から気づけていたが、何もしてこなかったし、ようやく絡んでくるのか……。

 ヘビたちに他の三方を任せて、俺自身は東に集中することにした。


 そして、それからさらに数分が経った。

 周囲の者たちも何かを察したのか、東を警戒して盾や武器を構えている。


 俺も負けじと、ジー……っと東の街道の先を見つめていると、僅かに舞っている砂埃に気付くことが出来た。

 人数は先程のに比べると少ないからか、その規模は小さいが、まぁ……なんか来ているな!


 そして。


「…………おおおおおおっ!?」


 そちらからバッと一斉に飛んでくる何かが目に入り、思わず声を上げてしまった。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[気になる点] すいません、ちと失念してしまったのですが…王都とリアーナまでの道中の進行方向はどうなってるんでしたっけ… 王都を出発して以降後ろからついてきた賊の居る位置が東側って事は主人公達は西に…
[良い点] 更新乙い [一言] 終わらないおかわり……
[一言] さーて敵さんはどんな手を使ってくるのかな?
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