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山奥ドライバー ―ping999―  作者: レオン
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エピソード26 『創世記』

* * * * * *





その昔、宇宙の中で奇跡的に生まれた■■という惑星に、文明が発達し平和に栄えていた都市があった。


彼らは今で言う"人"に良く似ていて、少し違うといえば

それは全人類のうち二人選ばれた男女の個体が特殊な能力を持つということだ。


彼らは『ドライバ』と呼び慕われ、その種族を存続させるのにとても重要な存在だった。

何故なら、彼らはそんな過ちを犯そうとも"二人一緒"であれば時を巻き戻せたのだから。


彼らの能力は、あらゆる戦争を止め、あらゆる恐慌も事前に対策し、あらゆる天災も時間を巻き戻してしまえば争いも起こらず、過ちも無かったことにできたのだ。





しかしそんなある日、種族の間で対立が起きてしまうった。


『ドライバ』の力は頻繁に使えるものではなく、女性の個体が体力を使い、男性の個体が起動させる――というのがおおまかな条件だ。故に有限であり、二人一緒でなければいけない。


そんななか、数ある諍い一つくらい止めるのもなんだから、と先送りにしようと男性の個体が提案し、それに了承する。




それは大きな間違いであったと気づいたときには、既に世界の終焉はこちらを覗いていた。


■■は東西で分断され、発達した文明は愚か者の手により兵器の製造に汚されてしまう。

東が強力になればなるほど、西は負けじとさらに強力になる。

西が追い越せば東が追い越しついには両国から立ち込める煙は跡を絶たず、そのうち彼らは「どれだけめちゃくちゃにやっていても、『ドライバ』様がどうにかしてくれるんだから」と好き勝手やっていたのだった。


そう、彼らが運悪く東と西に分断されてしまったとも気づかずに―――




ほどなくして、いまで言う「核戦争」にまで発展した東西の戦争の最中、唯一の希望である『ドライバ』が中々登場しない事に違和感を覚えた民は西に居た『ドライバ』の男、『ゆうた』を何とか探すことに成功するのであったが、肝心の女の個体が見つからない。

しかし、当然東に居るドライバはそんなこともつゆしらず、それどころか自分が優勢と思いこんでいる東側のトップの手によって捉えられていた。


東側は「ドライバの片方を捉えた。戦争を終わらせたければ我々の条件を飲め」と西側に勧告し、あろうことか西側でさえ「こちらにもドライバは片方居る、そちらこそ我々に下れ」と堂々巡りを繰り返したしまったのだ。



これが終末の始まりだった。



こうなれば両者を止めれるものはもう居ない。両国はその技術力でドライバの魂を封じ込めてしまい、血で血を洗う核戦争が始まり、後に引けない彼らは終焉を迎え、


栄えた文明は一夜にして幕を閉じた。



* * * * * *




「というのが、昔話の顛末。

ちなみに言わずもがな、僕たちの住む地球の長い長い昔の話さ。」


ライトニングキャットと名乗る男は長い話を終え、ふうっと息をつくといつの間にか沸かしていたコーヒーで乾いた喉を潤した。


「てェ訳、っつってもほとんどファンタジーみてェな話だよなぁ。俺ァもちろん俺がまがい物の人間以外のものって自覚はあるわけだけどよォ、いきなり終末なんていわれてもピンとこねェよな」


と沈黙にしびれを切らしたのかけいちゃんが口を開く。


「もちろん、全てが事実かどうかも僕には確認しようがないからね。僕だって研究者としてこんな非論理的な突拍子のない話、信じられなかったさ。でも、証拠はここにいる君達やボルボ君の存在なのさ。」


「ぼる...?」


ほとんど置物になっていたジンが口をはさむが、八夢は構わず話した。


「じゃあ結局、私達は何のために作られて集められた訳?そのドライバやらなんやら分からないけど、デスゲームさせられてる意味が全くわからないわ」


八夢の言う通りだ。首謀者である有村とその上層部、そしてライトニングキャット。

この団体"ALICE"が一枚岩でもなさそうだ。

上層部の狙いはおそらくこの狂ったゲームにおいての金銭や権力の掌握だとして、有村の真の目的は一体何なんだ。

そしてライトニングキャットとなのるこの男がこれを僕たちに話した意味って――


「みんな、死んじゃうの...?」


裾をひっぱって不安げに見上げてくるぼうぼの無垢な瞳が心に刺さる。

短い間でもともに旅した仲間はもはや家族のようなものなのだろう、無垢な瞳から今にも涙が出そうで、でもそれを抑えてやれるほどゆうたの心に余裕はなかった。


まさかこの子もなにか関係が――なんて考えているうちにライトニングキャットが話し始めた。



「八夢くんの言うとおりさ。僕には僕の狙いがある。僕だって、一人の科学者として上層部の狙っている未来に生きるつもりはないからね。」


「ふ~ん、なら解決策はあるのかしら。」


「あぁあるとも。僕の最初で最後の賭けだ。もともとギャンブルはすきだったんだが、本当の"賭け"というのもなかなかスリルがあるね。

それもこれに失敗したら世界はALICEの思うがままさ。

キーはすべてそこに揃ってる。そこにね――」


含んだ言い方をするライトニングキャットは静かに腕を上げたかと思うと、ゆうたとぼうぼの方をまっすぐ捉え指差していた。


キョトンとするぼうぼ、それはゆうたも例外ではない。


「...」


「...俺!!!???」

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