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山奥ドライバー ―ping999―  作者: レオン
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エピソード21 『決戦の幕開け』



「遂に合流を果たした―ッ!これから先、どのような展開があると思いますか?ろりへにょ氏」


「そうですねぇ……。まずガルシア選手が脱落している時点で残り5人……。リー選手はもうほぼ再起不能でしょうから残り4人になりましたが、その4人が集まってしまいました……。ここから考えられるのは…」


ろりへにょの解説はそこで途切れた。いや、話せなくなってしまった。


ボシュゥ…と実況席よりも下の方から音がしたかと思うと、続くのは轟音。

それに加えて遅れてやってくる熱気と衝撃波。


観客は最初ざわめいていたが、今やそのざわめきは悲鳴へと変わりつつある。


タタタタタタ……と軽快な射撃音。


「遂に来たか」


と蜂ぶどうがつぶやくと、有村に支持されたとおりに引き出しをあけ、中のブツを二丁取り出す。


「ぶ……ぶどう氏……僕、機関銃なんて……」


「何を言ってるんだ。生きたくば殺れ。リーもそう言っていたろ」


そういうとぶどうは一丁のライフルをろりへにょのほうに放りやった。


「ここからは耐久戦だ。幸いここには資料があるから直接的な攻撃はされないだろう。俺は登ってくるやつをやるから、君はドアの向こうを見ていてくれ」


口早にそう告げるとぶどうは実況席から身を乗り出して銃を構えた。


「どうして………どうして……………」


今、最終決戦のはじまりの鐘が鳴る。




* * * * * *


― 数時間前


「有村くん。話が違うではないかね…?」


携帯電話の向こうから聞こえる声は、しゃがれて今にも消えてしまいそうだ。

しかし、その声には明確なる怒りが込められていた。

その声は以前、大会の控室で有村と通話したものと同じようだった。


「はぁ。これでも私は命令通りのつもりですが。」


「何をとぼけたことを。我々は奴を金のために召喚するのだ。決して―」


「金……ですか」


「………?」


静寂が訪れる。暗闇の中で耳に電話を当てている有村の口が引き上がり、狂気的な笑みを演出する。


「金…ねぇ……何が……金だ。人類は100万年前からちっとも変わっちゃいない……。先の時代、もとい前回の周回からそうだ。お前らはあの『Jaja's Index』を読んで何も学ばなかったのか!


否、この世の不条理を知りながら尚、自分だけの幸せだけを目前に、漠然と走ってただけじゃないか!

以降、お前らがやってきたように私の考えに基づき私が行動をする。

邪魔は結構。私は……俺は何があっても俺の計画を……!」


―バキッ…


力むあまり、耳元の携帯電話を破壊する有村。長く話したせいか息が切れて胸を上下させている。

しかし、彼は笑っていた。


気味の悪い笑みを、浮かべていた。



* * * * * *



「けいちゃん、どうして―!」


「悪ィな。細けェ話はあとだ。トラックに乗ってくれ、なぁ」


「……」


けいちゃんは真剣な顔でゆうたにそう告げる。


―何を考えているんだ……?


けいちゃんの行動の意図もわからないまま、大人しくゆうた一同は彼のトラックの荷台に乗る。

すると、助手席から降りてきた森の精、もといジンがゆうたに言った。


「ひょろとやら。けいちゃんが話があるそうだ。君は助手席に乗るんじゃ」


「俺に話が……?」


ぼうぼと離れるのは心配だが、けいちゃんのトラックには信頼があるのですばやく助手席に移る。

するとけいちゃんは全員が乗ったことを確認すると、思い切りアクセルを踏み抜く。


「悪ィな・・・急いでんだ。」


「いや…俺は大丈夫だけど、無事だったんだね」


「あぁ。ちょっと拉致られたけどよォ。この通り元気だぜ。なぁ……お前よォ……」


「……?」


けいちゃんが間をおく。しばらくしてハンドルを握り直すと、横目でゆうたに問いかけた。


「子供ン頃、何してたが明確に思い出せるか?」


何も変哲の無い。日常会話に混ざっていてもおかしくない質問。

その質問の意図はわからなかったが、真剣にゆうたは悩んだ。


何も変哲の無い、ただの質問……。


刹那、ゆうたの脳は恐怖で支配されていた。


夢に度々出てくる、あのシーン。




僕はいつ








どこで









経験したんだ……?




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