エピソード20 『ジン』
「クソッ……どうしたら……!」
ゆうたは無い頭をフル回転させ、頭の中でこの状況を打開する策を提案しては却下していく。
二人が喉をかき切られたら戻せば――状況は変わらない。彼女たちが二度、同じ苦しみを味わうだけだ。
僕が突っ込む――やはり彼女たちは犠牲になってしまう。
逃げる――?
最悪の提案をする自らの頭を大きく振り、リーに向き直る。
こいつの弱点はないのか……?
「どぉーしたもんかなぁ……アジアランキング2位なんてこんなもんかい?」
悔しいが、激しく同意である。今の俺には何も出来ない……ただの……"山川"
刹那、リーの背後になにかが見えた。
あれは――誰だ?
そいつは大きな石をリーの頭上に高く掲げ、それを重力に任せて一気に振り下ろした。
バゴッ
という音がしたかと思うと、リーは白目をむいてその場で崩れ落ちる。彼女たちは開放され、息を切らしながらゆうたの背後に逃走した。
一体誰が――?
それは白髪頭だった。鍛えられた筋肉に、白い口ひげ。目の堀は深く、鼻は低い。アジア系のおじいさんのようであった。
そのおじいさんは息を整え、俺達の方を向いて言った。
「わしは……ジン・ユー・ツォン。ジンと読んでくれい。」
ジンはそう言うとかっかと笑って森のなかにはいっていった。
「あれはなに?」
「きっと森の精だよ………」
八夢とゆうたは軽く冗談を言い少しづつ思考を取り戻していく。
「あれについていった方がいいかな?」
八夢の提案にゆうたはうなずき、彼が消えていった方に足を進める。
ぼうぼは先程の拘束で怯えたのかゆうたの服のすそを掴んで離さない。
「かわいいやつめ」と内心思いつつゆうたはその手を握ってやるのであった。
ジンが立ち止まったのは見慣れたトラックの前だった。
派手な装飾――これは見間違えることはない、けいちゃんのだ!
衝撃で口が空いたまま塞がらないゆうたを前にジンは「友達を連れてきたぞい」と荷台の方に声を掛ける。
すると荷台から現れたのは……
「お前ェら……あの夜はすまなかったな。またこれからよろしくやろうや。なぁ」
けいちゃんであった。
何も考えないで書くと言い回しが雑になるし文もコンパクトになっちゃうね




