エピソード15 『人形』
「……?」
森のなかに何かを見つけ、ぼうぼはきょとんとしていた。
けいちゃん探しを決定してから数時間後のことであった。
「んー?どうしたんだぼうぼ」
ゆうたはぼうぼの見つけたそれに驚いてぼうぼの手を引き間を取らせる。
それは明らかにトラップのように見えたからだ。
「どうしたのよ」
異変に気づいた八夢が後ろから駆け寄る。
そして目の前においてある"手作り人形"にゆうたと同じく戦慄を覚えていた。
「これって……」
「うん。間違いなく罠だね」
「拾ったらどうなるのかしら……」
まずここでこれを拾うという選択肢は全員等しく持ち合わせていなかったが、それと同様に興味も全員等しく持っていた。
明らかな人工物は小屋に続いてこれが2つ目だ。小屋に異常はなかったが、果たしてこれはゲーム参加者が作ったトラップなのだろうか、それとも他に意味があるのだろうか。
形は歪で手作りなのはわかる、材質は恐らくプラスチックだろう。溶かして作ったのならその作者の器用さが伺える代物だ。
後者の可能性を検討していると、八夢がそのへんにおちている小石をそれに投擲する。
「ほーらよっと」
「おいばか!何考えて――」
言い終わる前に石がコツンと音を立てた。
ゆうたはもうどうしようもなくなってその場に頭を抱えしゃがみこむ。
シーンと場が静寂に包まれる――が不発。
幸い、木の影に消えて命中こそしなかったがなんて野郎だ。未知数の危険を前に軽率な行動を取った八夢に対しゆうたは言った。
「もしこれが超強力な爆弾だったら俺達巻き込まれて死んでたろ!」
「てっきり落とし穴とかの類だと……」
「はぁ……」と安堵とため息が混じったような息が出る。
しかし、俺は見てしまった。もう一つ違う種類の人形が気から縄で縛られ吊るされているのを。
そしてぼうぼがそれに駆け寄る。
止めようとしたがコンマ1秒止める手が遅れ、そのまま一直線に向かっていってしまった。
「ぼうぼ!戻れ!」
それはすでに手遅れだった。
ぼうぼが人形に触れた瞬間、とてつもない熱気があたり一面を包み込む。
爆発だった。
熱気に続く衝撃を全身に受け、八夢とゆうたは飛ばされてしまう……
しかし……
「――ぼうぼーーー!!!」
その絶叫に返答する声は無かった。




