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山奥ドライバー ―ping999―  作者: レオン
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エピソード11 『ぼうぼ』


ブロロロ…


見通しの悪い山道を、ムカデのように、或いはチェーンのようにトラックが3台連なって走っている。

先頭を走るのはシルバーのトラック。通称『Volvo』と呼ばれるそれはゆうたの運転するものだ。

JTS2内では一番使用している―ていうよりかはこれしか使用していない―トラックで、このデスゲームにもこのトラックが選ばれた。

続くトラックは派手なデコトラで、縦にペイントされた『Guten』という文字が派手に点滅している。

けいちゃんらしいといえばらしいのだが、このデスゲームでは悪目立ちしてしまうのがもったいなかった。

最後に続く一台もまた派手で、こいつは一言で表せば『真ピンク』。

頭からお尻までピンクで統一されており、イラストすら無いものだから時々これをトラックだと認識できなくなる。


ゆうたは目の前に不思議な小屋を見つけると、後続車に知らせるために窓を開いた。

そして肺に空気をいっぱい吸い込み、窓から身を乗り出して大声で叫ぶ。



「眼の前に!!」



無論、運転中はとても出来ないことだ。真似しないでほしい。



「大きな小屋が見える!!!」


「そこで休憩しよう!!!」



運転技術が幸いして事故を起こすことはなかったが、伝わっただろうか…


と考えていると突然、壊れているはずのナビが起動しそこにけいちゃんの顔が写った。


「っと繋がった繋がった…。了解。それとこれナビで話せるらしいぜ。なぁ」


早とちりした自分へのため息をぐっとこらえ、最新のシステムに感心してから、徐々に車のスピードを緩めていく。

ナビはゲーム開始直後けいちゃんが文字通り"粉砕"したのだが幸い使えるようだ。

半分になったモニターと、左半分のボタンを失いつつもなぜ動いてるかは不明だが、今後もナビには元気で居てもらいたいものだ。


今元気であるかは別として。


そろそろ小屋が見えてくる―といった頃合いに、助手席から元気な声が聞こえた。




「ぼうぼ!」




声の正体は、少女。時は30分前に遡る―。



※ ※ ※ ※ ※ ※




「俺はゆ…ひょろです、よろしく」


「俺ァ土本ってんダ。けいちゃんって呼んでくれ。なぁ」


新たに仲間になった八夢に挨拶の手を差し出す。

八夢は「はい、よろしく!」と、両手を使ってゆうたとけいちゃんの手に同時に握手をすると「ニコッ」と聞こえそうなくらいにあざとく微笑んだ。


そして簡単に自己紹介をした後、ゆうたは新たな仲間に例の少女を見せることにしたのだ。

簡易的なダンボールのベッドですやすやと眠る彼女を見た時、八夢は「誰…?」と驚いていたが、その刹那俺達も驚かされることになった。


「んむぅ…?」


タイミングよく少女が起きたのだ。

おもむろに目をこすり、囲んでいる3人に目を配った後、ゆうたの方を向いて何を思ったかパァっと明るく笑って口を開いた。


「ぼうぼ!」


「は…?」


少女の発した言葉を理解できるものは、この場に存在しなかったが、閉じ込められていた彼女が無事で安堵の息を漏らした。

しかし、この少女を見つけたときに確かに名前を呼ばれたんだが、その後この少女がまともに会話することなくひたすら「ぼうぼ!」と言うだけなので全員お手上げ状態だ。

見た目は中学生ほどなのに、なぜこんな幼い仕草をするか不明だが名前くらいは言えるだろうと、ゆうたは少女に名前を聞いてみることにした。


「名前は…わかるかな?」


「ぼうぼ!」


「無駄だぜひょろ。こいつはぼうぼしか言わねェ。なぁ」


「名前はぼうぼでいいね、もう」


すると少女は会話の流れでついた名前に満足そうに「うん!」と言ってうなずくと、一つの方向に向かって指を指した。

指の先は青空であったが、その下になにやら大きなコンクリートの建物があるようだった。


「あそこに建物があるわね…。言われるまで気づかないほどにステルスしてるわ、あの建物…」


「何があるかわからねェが、いっちぃ行ってみっか!なぁ」



こうして、少女と俺と、けいちゃんと八夢の旅が始まったのである。

飽きてきた

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