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「ねえ!! あなた誰なの!? どうして私を見ているの!!」

 星はそこから大声で叫ぶ。すると白い服を着た魔女は星に向けて、(本当の言葉の代わりに)とても強い意志を放つことで、返事を返してきた。

『出て行け!!』その意志は確かにそう語っていた。(その意志は、まるで魚と会話をするときのように星の頭の中に直接、声となって響き渡った)

 捲き起こる強い風と冷たい雨。そしてその魔女の強力な魔力と意志が星の体を突き抜ける。今度は(星が意志を持って踏みとどまったおかげで)後ろに吹き飛ばされるということはなかったが、そのあまりの強大な魔力の圧力と強い風に押されて、星は思わず目をつぶった。

 そのせいで、(目をつぶったことで)世界は真っ暗になり、次に星が目を開いても世界は真っ暗なままだった。

 その事実に星が驚くのと同時に世界が歪んだ。

 まるで星の意識が溶けるように、世界のすべてが表象とともに溶け出して(すべての心を照らす明かりが消えて、周囲が影のない真っ暗な夜となり、星以外の実体を持つあらゆる物質が消え去った)星の立っている地面の真下にいつの間にか、ぽっかりと大きな口を開けた巨大な『世界の穴』が出現していた。

 その暗い(そしてとても深い)穴の中に、星は落ちてしまいそうになる、が踏みとどまった。

(星は、もしくは人は誰しもが、簡単には世界の穴には落ちない。人を世界の穴の中に叩き落とすことは、魔女の魔法、もしくは呪いを持ってしても、それなりに難しいことだった)

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