表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

95/447

113

 ……どこ? どこにいるの?


 星はさっき見かけた(自分に魔力をぶつけた)誰か、を探して視界を動かす。いつの間にか風は止んでいるが、雨は止んでいない。星の顔に冷たい雨粒が容赦なく叩きつけられる。星は時折、片手で顔を覆うようにして雨を防いで、なんとか自分の視界を確保している。


 ……いた。さっき私が見たのは、あれだ。

 数分もしないうちに、星の視界がそれを捉えた。


 外に見えるのは(雨の降る)凍えるように冷たい冬の森。

 その暗い森の木の影に、その誰かは立っていた。


 その誰かを見て星が最初に連想したのは黒く長い髪をした女の人の幽霊だった。(むしろその表現そのままの人物がそこにはいた)白い服を着た幽霊がじっと森の木の影からこちらを見つめている。

 しかし、その女の人が幽霊でないことは星にはもうわかっていることだった。なぜならその女の人は星に向かって魔力をぶつけたからだ。つまり暗い森の中に住み、魔力を持ち、魔法が使える存在。

 ……それはつまり魔女しかいない。(それが魚との魔女の契約により、人間から魔女になった星にはよく理解できた) 

 その魔女は黒く長い髪が(その髪は本当は、きっとお日様の下で見たら、惚れ惚れするくらいに綺麗な髪なのだろう)雨に濡れて自然と顔の部分を隠しており、その顔と表情はよく見えない。

 でも、明らかにこっちを見ている。それはわかる。確かに魔女は星に向かってなにかしらの(おそらく、あまり良い感情ではない)強い意志を向けている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ