表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

77/447

84

 星はちらっとボストンバックの後ろから顔を覗かせた。


 澄くんは小屋の玄関のドアを開けるために鍵を使用した。それは森の門を閉じるときに使った鍵束と同じ鍵束だった。澄くんの持っている鉄製の鍵束には鍵が三つくっついていた。

 大きな鍵と中くらいの鍵と小さな鍵だ。

 大きな鍵は森の入り口の門の鍵。

 中くらいの鍵は今、使用している歩の住んでいる小屋の玄関ドアの鍵。

 では、残った小さな鍵はなんの鍵だろう?


 そんなことを星は考える。 

 それらを確認した星は(澄くんが星のほうを向くと)さっと顔をボストンバックの後ろに戻した。


 そんな星の行動を澄くんはやはり不可解な目で見ている。


「星、さっきからなにしているの?」と澄くんは言う。

「え? えへへ。別になんでもないよ」と星は言う。

 星はボストンバックを元の位置に戻し、(肩にかける持ちかたに戻した)澄くんに不器用な愛想笑いをする。そんなことをしながら星は自分でも自分がちょっとだけ気持ち悪いと思った。

 でも澄くんは(もちろん?)そんな星に失礼なことはちっとも思ってはいないらしく、ようやくバックの後ろから顔を出してくれた星に向かって、いつもの優しい笑顔を向けてくれた。

「どうぞ」澄くんが言う。

「ありがとう」星が言う。

 澄くんにエスコートされるように案内されて、星は澄くんの家の中に入っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ