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そのあと(も?)、星は澄くんに甘えっぱなしだった。
自分でもなんでこんなに澄くんに甘えているのかよくわからないくらいに、甘えっぱなしだった。
澄くんが星のわがままを(今のところ)なんでも受け入れてくれるからだろうか? ……確かに、そんな人に星は今まで会ったことがなかった。(星を『ちゃんと見てくれる人』、『星のわがままを聞いてくれる人』、という意味では海がいるが、海は澄くんと違い、優しい分だけ自分に甘える星のことをよく叱ってくれた)
それとも森の中で一人でいることが、やっぱり心細かったのかもしれない。理由はきっといろいろあるのだと思う。とにかく、ここ最近、(もしかしたらずっと昔から)星が無理をしていたのは事実だった。
ずっと演技をして生きてきた。
生きるってそういうことだと、思ってた。
……でも、ここでは演技をしなくていいんだと思った。(それを自由だと星は感じた)だって初めから私を見てくれている人なんて、ここには誰もいないのだから。(でも同時に、それがとても寂しいことだとも星は思った)