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「……あなたたちは前世の記憶って信じる?」ある日、テレビの中の人は言った。
「前世の記憶?」二人はお互いの顔を見ながら言った。
「あなたたちが今のあなたたちとして生まれる前に違う誰かとして生きていた記憶のことだよ」とテレビの中の人は言った。
「難しくてよくわからないけど、私たちはずっと私たちだよ。そうだよね。まめまき」ひまわりは言う。
「うん。そうだと思う」まめまきは言う。
「……私はね。信じているんだ。前世の記憶」とテレビの中の人は言った。
「……その世界ではきっと私たちは友達だったんだと思う。こうやってテレビを通してではなくてきちんとお互いの顔が見えて、声が聞こえて、手が触れ合えるような世界で一緒にいつも笑って生きていたんだと思うんだ」とても嬉しそうな声でテレビの中の人は言った。