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369 春がやってきた。

 春がやってきた。


「じゃあ、もう行くね、白兎姫」

「うん。わかった」

 と白兎姫は言った。

「僕がいなくても寂しくない?」

「大丈夫だよ。一人にはなれているから」とにっこりと笑って白兎姫は言った。

「薄明ちゃん」

 そう言って白兎姫は薄明の小さな体をぎゅっと抱きしめた。

「絶対にまたここにきてね。それでいっぱい楽しいお話を聞かせてね」と白兎姫は言った。

「もちろんだよ。絶対にくるよ」

 と薄明は言った。

 薄明はいつものようにまた笑顔で手を振りながら雪の溶け出した大地の上を歩き始める。

 白兎姫はそんな薄明の去っていく姿を小屋の前に立って見送っている。

 いつもならこれで二人は離れ離れになる。


「薄明ちゃん!!」

 白兎姫が大きな声でそう言った。

「なんだい!? 白兎姫!!」

 薄明は言う。

「私に会いにきてくれて、……いつもいつも、私のことを心配してくれて、本当にどうもありがとう!! もし薄明ちゃんがよかったら、どこにも行かないで、ずっとここにいてください!!」

 精一杯の大きな声で白兎姫は泣きながら、にっこりと笑ってそう言った。

 すると薄明は白兎姫のところに向かって走り出して、そのまま白兎姫の体に抱きついた。


 ずっと心がふるえてる。 終わり

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